美濃加茂ビール


ブルーパブ名: 美濃加茂ビール
電話番号: 050-8883-9007
住所: 岐阜県美濃加茂市太田本町1-5-2
定休日: 月~水休
営業時間: 木金曜: 13:00~15:00
土日曜: 12:00~16:00
ビールの種類: 梨 WHITE ALE (ホワイトエール)
session IPA (セッション インディア ペールエール)
蜂蜜 GOLDEN ALE (ゴールデンエール)
珈琲 STOUT (コーヒースタウト)
マンゴースムージーサワーエール (サワーエール)
バーレイワイン (バーレイワイン)
Hazy IPA (ヘイジー インディア ペールエール)
ハイビスカスローゼル サワーエール (サワーエール)
パッションフルーツ サワーエール (サワーエール)
Hazy Honey Ale (ハニーエール)
ハプニングパンプキン (パンプキンエール)
Ginger saison (セゾン)
醸造開始: 2023年3月21日
アクセス: JR高山本線、太多線、長良川鉄道 越美南線/美濃太田駅から徒歩12分
instagram: 美濃加茂ビール

製造元: 一般社団法人8KNOT  美濃加茂ビール 太田宿醸造所
電話番号: 050-8883-9007
住所: 岐阜県美濃加茂市太田本町1丁目5番2号

美濃加茂(みのかも)ビールは、岐阜県美濃加茂市へ2023年に誕生したマイクロブルワリーです。 美濃加茂ビールのある美濃加茂市(みのかもし)は、岐阜県の南部 中濃地域に位置し、 雄大な木曽川の流れや、緑豊かな山々に囲まれた穏やかなところです。 古くは、中山道六十九次の51番目の宿場町「太田宿」として栄え、 当時は多くの旅人が行き交い、その疲れた体を癒した場所でもありました。 そうした今も歴史を感じさせる古い町並みが残る旧中山道沿いに、 宿場町の佇まいを思わせる美濃加茂ビールの建物があります。 『み組』の暖簾をくぐると、1階が店舗となっており、2階に醸造所があります。 店内では出来立てのビールを味わうことができ、瓶入りのビールを購入することもできます。


美濃加茂ビール


美濃加茂ビールのエントランス


美濃加茂ビールの店内


カウンター席


会計カウンター





会計カウンター横には4本のタップ

美濃加茂ビールでは、原材料にドイツ産、イギリス産の麦芽とアメリカ産、ドイツ産のホップを使用し、 木曽川水系の美濃加茂の水を仕込み水として使用して醸造しています。 定番は、梨 WHITE ALE、蜂蜜 GOLDEN ALE、珈琲 STOUTの3種類で、その他に限定醸造も行なっています。 美濃加茂市には、梨やぶどう、ハチミツ、ローゼルなど美味しい特産品が多く、 美濃加茂ビールではこうした特産品を副原料として使用しビール造りを進めています。
梨 WHITE ALEは、美濃加茂市の山之上にある「山鈴農園」の梨を使った小麦のビールです。
蜂蜜 GOLDEN ALEは、美濃加茂市の「藤井養蜂」の蜂蜜を贅沢に使ったゴールデンエールです。
珈琲 STOUTは、中山道太田宿にある「コクウ珈琲」で焙煎した珈琲豆"イタリアンロースト"を使ったスタウトです。
ハイビスカスローゼル サワーエールは、美濃加茂市産のローゼルを使ったサワーエールです。
パッションフルーツ サワーエールは、関市下之保で収穫されたパッションフルーツを使った数量限定のサワーエールです。

梨 WHITE ALE

蜂蜜 GOLDEN ALE

珈琲 STOUT

session IPA

Hazy Honey Ale


美濃加茂ビールを運営する一般社団法人8knot(エイトノット)は、 美濃加茂市を拠点に地域貢献を目的としてクラフトビール事業を推進している法人です。 「ビール事業を通して美濃加茂を元気にする!」という目標を掲げ2022年に設立され、 その事業収益は経費を除く全てを美濃加茂市へ還元することを基本に、活動しています。 「8knot」の名の由来は、∞(無限)のknot(結び目)を意味し、いくつもの『ご縁』や『繋がり』をつくり、 それらを大切にしたいという思いから命名しました。

一般社団法人8knotの代表理事を務める 仙田 大騎(せんだだいき)さんは、岐阜県可児市の出身で、 現役の消防士との二足の草鞋を履く醸造家です。 仙田さんは、美濃地方の緑豊かな環境で育ち、 地元の高校を卒業すると奈良県の大学に進学。 大学卒業後は、2004年4月愛知県犬山市の消防署に入所し、消防吏員(消防士)として働きはじめました。

仙田さんのクラフトビールとの出逢いは大学時代のことで、 社会人になってからも休日には全国各地のクラフトビールを飲みに行っていました。 初めのうちは単なるビール愛好家としてビールの味を楽しむだけでしたが、 やがて行く先々で出会うクラフトビールを通して、その土地の魅力を体感できることに気づきました。 そして、いつしか自分の故郷の魅力も、同じように知ってもらいたいと思うようになりました。

そうした思いと、さらには地域貢献にも繋げて行かれないかと考えているうちに思い付いたのが、 地域還元型のクラフトビール事業でした。 クラフトビールであれば、地域の特産品を活用することができるし、 そのクラフトビール自体を地元の特産品として販売していくこともできるという一石二鳥だと思いました。 しかし、ボランティア活動のような進め方では資金不足に陥る可能性もあり、中途半端に始めることは出来ないと考えて、 やるからには法人を立ち上げて収益性もしっかり確保した上で持続性のある活動にして行かなければならないと思いました。

一方で本業である消防吏員は、公務員なので副業が認められていません。 よって、すべて休日を利用した無給の活動でなければなりません。 もし無給だったとしたら、自分が好きなことでなければ続けられませんし、 よっぽど執着している事でなければ長続きしないと考えた時に、ビール造りであれば、 それが出来るのではないかと確信しました。 そして、組織的には一般社団法人という形をとれば、公務員であっても役員として起業することができることを知り、 目的に共感したパートナー(他社在籍者)とでも一緒に仕事ができるということもあって、 一般社団法人を立ち上げることにしました。

こうしてクラフトビールの事業化に向けて、2019年より準備が開始されました。 まず第一歩は、ビール造りの知識習得のため、 東京のアドバンストブルーイングの相澤塾を受講することから始めることにしました。 そのため2020年6月~翌年6月の約1年間に亘り、休日を使って月に一度は相澤塾のある東京へ通いました。 そうして次は醸造のオペレーション(実務)を習得する必要があることから、 2021年8月から翌年8月までの約1年間に亘って、 岐阜県郡上市にある「郡上八幡こぼこぼ」へ週に一回のペースで通いながら研修を受けてきました。

また、クラフトビールによるソーシャルビジネスを広く認知してもらうため、 醸造研修と並行してビジネスコンテストへの出場の準備も進めていき、 2022年3月27日に美濃加茂市生涯学習センターで開催されたビジネスコンテスト「minokamo challenger award 2022」において、 「まちに元気があふれだすクラフトビール醸造所を美濃加茂に」と題して発表し、 見事グランプリを受賞することができました。 その提案内容は、「清流木曽川に寄り添う中山道 旧宿場町「太田宿」の空き店舗にビール醸造所を立ち上げ、 地域の特産品を使ったビールを醸造し、売上を地域に還元する」というものでした。

還元方法は、地域課題の解決案をエントリーするコンテストを開催し、応募のあった取り組みのうち、 多くの人から共感を得られた取り組みに対して売上金を使って支援を行なうというものでした。 ※2023年時点での計画では、2026年には開業費を相殺し、2027年よりコンテスト開催を予定。
また、同年10月27日には鎌倉市で開催された「いざ鎌倉! JAPAN CHALLENGER AWARD 2022 in 建長寺」に出場し、 「地域貢献する公務員の起業~収益を上げて地域に還元~」と題してビジネスプランを発表し、 ここでもグランプリ受賞となりました。

そして、2022年4月1日に一般社団法人8KNOTを設立。 法人設立にあたり最初の目標は、ふるさと納税の返礼品と成り得る品質と生産基盤を整えることでした。 そうした目標に向けて、醸造所や店舗の改修工事に着手し、様々な準備作業を着々と進めていきました。 醸造設備に関しては、ほぼDIYで手作りした仕込みタンクを設置。 2023年1月20日に、酒類等製造免許(発泡酒)を取得。 また、醸造所立ち上げに必要な資金の一部を調達するため、同年1月21日~3月13日に掛けてクラウドファンディングを実施。 同年2月6日には初仕込みに臨み、1stバッチの「梨 WHITE ALE」が完成すると、 いよいよ同年3月21日に「美濃加茂ビール」のオープンを迎えることができ、 自家醸造ビールの販売に漕ぎ着けることができました。

美濃加茂ビールでは、ユニケグ内発酵と呼ぶユニークな醸造方法を採用しています。 この醸造法は、フルマッシングから直接ケグに充填し、ケグ内発酵させた後に瓶詰めをするという方法で、 発酵タンクや熟成タンクを必要としないことから設備費が安価で済むほか、 ビールの酸化を極力抑えることができるという利点があります。 こうした技術は、相澤塾へ通っていた頃からこれまでに多くの醸造家と出逢い、情報交換を行なってきたことで、 確立することができました。

美濃加茂ビールのブランディングについて少し触れますが、 仙田さんが消防士をしていることから「火消し」という昔ながらの言葉を用い、 「火消しが作る美濃加茂のローカルビール」と銘打っています。 また、パンフレットにある「火灯循環醸造」という記載は、ビールの売上をまちに還元することから、 「まちの明かりに火を灯す地域循環型のビール造り」という主旨から来ているキャッチです。

美濃加茂ビールのロゴやラベルに用いられている絵柄は、 美濃加茂の頭文字の「み」を取って、火消し組の名称を『み組』に見立てて、 『み組棟梁』の頭(かしら)をモチーフにデザインしたものになります。
また、ラベルデザインは、 岐阜県郡上市にある「辰巳蒸留所」や「郡上八幡麦酒こぼこぼ」などのラベルデザインを担当されているデザイナーの上村 大輔さんに依頼しました。 ※上村さんは、長野県軽井沢町の「THE CIRCLE株式会社」代表取締役および、 岐阜県郡上市の印刷会社「株式会社上村考版」専務取締役を兼任。

仕込みに使用した麦芽粕は、美濃加茂市や可児市内の農家に引き取ってもらい、 ニワトリのエサとして100%再利用されています。

仙田さんに今後の美濃加茂ビールについてお尋ねすると、 「今の現場は手狭になってきた。そして、もっと設備の管理面を充実したいと思うのでシステム化を図って行きたい。 また、生産能力の向上も図って行きたい。 そのために、できればもっと良い条件の物件が見つかれば醸造所の移転も考えている。 その場合、販売店舗は今のまま残す予定なので、醸造スペースがなくなった分、 店舗としてもっと広く使えるようになると思う。」と語っていました。

仙田さんのご厚意により醸造設備を見せてもらいましたので、紹介します。


仕込み設備
左側が糖化釜(マッシュタン)兼、ロイター
右側が煮沸釜(ケトル)兼、ワールプール


仙田 大騎さん

美濃加茂ビールのこれまでの経緯は、以下の通りです。
2022年4月1日一般社団法人8KNOTを設立
2023年1月20日酒類等製造免許(発泡酒)を取得
2023年2月6日初仕込み
2023年3月21日「美濃加茂ビール」をオープンと共に、自家醸造ビールを販売開始


ビアクルーズ管理人の一言:
2024年1月、岐阜県美濃加茂市にある「美濃加茂ビール」を訪れて、定番の3種類のビールを購入して、自宅で飲みました。



 HOME >> 中部 >> 美濃加茂ビール