ビアスタイル (ビールの種類)



日本国内の大手ビールメーカーがこれまで販売しているビールのほとんどが、ピルスナーという種類に属することをご存知でしょうか?
ラガーとか黒と呼ばれるものもありますが、大抵はピルスナーに属しています。スーパードライも、一番絞りも、黒ラベルも、エビスも、プレミアムモルツもみんな単一な種類のビールなのです。
しかし、実はビールには、ヴァイツェンやケルシュ、ペールエールなど様々な種類のビールがあります。ビールの種類は、ざっと50種類以上はあると言われています。

ビールは、その製法によって上面醗酵のビール(エール系ビール)と下面醗酵のビール(ラガー系ビール)、そして天然発酵のビールの3種類に大別できます。

◆上面発酵は、常温醗酵(15℃〜25℃)で酵母が活発に繁殖し、炭酸ガスと共に液の上面に酵母が浮かび上あがって来る状態になります。そのようにしてできた上面醗酵ビールは、フルーティーな香りがして、やや濁っていて、まったりとした味わい深いものになります。

◆下面発酵は、低温醗酵(6℃〜15℃)でゆっくりと醗酵が進むので酵母は下面に沈殿していきます。そのようにしてできた下面発酵ビールは、透明感のあるクリアーですっきりした味わいになります。

◆天然発酵は、常温醗酵(20℃〜)で酵母を接種することなく、自然界の微生物を利用して自然発酵をさせて出来るビールです。

それでは、代表的なビールを紹介してまいりましょう。

  エール系ビール   <上面醗酵ビール>
エール [Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:2.5〜5.5
イギリスのビールの総称。口当りの良さとフルーティーな香りが特徴。最近では、種類が増え、英国以外でも作られている。 現在は上面発酵ビールの総称的に使用されている。
ペールエール [Pale Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:4.0〜5.5、 甘口
琥珀色または銅色のエールで、ビターポップの苦みと発酵過程の途中で加えられるアロマホップの香りがフルーティーに調和するビール。
インディア
ペールエール
[India Pale Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:5.0〜7.5
ペールエールよりアルコール度数が高いダークゴールドから銅色のエール。18世紀末にイギリス人がインド向けに醸造した輸出用ビール。輸送中の品質劣化を防ぐため、アルコール度数とホップの使用量を高めたことから強い苦味がつけられた。
アメリカン
ペールエール
[American Pale Ale]
上面発酵、発祥国:アメリカ
アメリカ西海岸発祥のビール。ホップの中でも繊細で且つ柑橘系の芳香と苦みを持つ北米産「カスケードホップ」をふんだんに使用して、香りと苦みを際立たせているビール。
ライトエール [Light Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス
イギリスで、淡色系のもの、あるいはアルコール度数の低いビール。
アンバーエール [Amber Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:4.0〜5.0
褐色モルトフレーバーの醸し出すコクと、ホップ控えめのほど良い苦みと香りが特徴の褐色のビール。「アンバー」とは、褐色という意味。
ビターエール [Bitter Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、 辛口
ホップの香りと苦味の強い黄金色の淡色ビール。
レッドエール [Red Ale]
上面発酵、アルコール度数:4.5〜5.5、 甘口
カラメルの豊かな風味の赤色ビール。
ブラウンエール [Brown Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:4.0〜6.5、 甘口
イギリスで最もポピュラーな濃褐色のビール。
ゴールデンエール [Golden Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:5.0〜5.5、 ライト
ホップ控えめ、ライトな飲み口が特徴。クリームエール、ロンドンエールとも呼ばれている。
ダークエール [Dark Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:5.0〜、 甘口
ローストしたモルトが醸し出す深みとコクが特徴の濃色ビール。
スモークエール [Smoke Ale]
上面発酵
燻製にした麦芽(モルト)を使用したビール。ちょっといぶしたような香りが特徴。
ウィートエール [Wheat Ale]
上面発酵、アルコール度数:3.5〜4.0
大麦と小麦の麦芽(モルト)をミックスして仕込む淡色ビール。
イングリッシュ
エール
[English Ale]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:6.5〜8.5
イギリスを代表する淡色ビール。瓶内での長期熟成ビールで、ホップの苦みとフルーティーな香りが特徴。イングリッシュオールドエール、オールドエールとも言う。瓶内で長い間熟成させることから「オールド」と呼ばれる。
スコッチエール [Scotch Ale]
上面発酵、発祥国:スコットランド、アルコール度数:7.0〜8.0
スコティッシュエールとも言う。スコットランドの伝統のビール。褐色で芳醇な味と苦みが特徴。
マイルドエール [Mild Ale]
上面発酵,,ライト
軽い口当たりのマイルドな暗褐色のエール。アルコール度数もやや低め。
スパークリング
エール
[Sparkling Ale]
上面発酵、発祥国:オーストラリア
オーストラリアで造られるペールエール風なビール。
バーレーワイン [Barley Wine]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:8.4〜12.0、 甘口
ストロングエールとも言う。アルコール度数約12%とワインに近い高濃度のイギリスのエール。暗褐色で強い芳香があり、果実のように甘く苦い。ワイン酵母やシャンパン酵母を使用することもある。
ヴァイツェン [Weizen]
上面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:4.5〜5.5
ドイツ/バイエルン地方のビール。小麦の麦芽を50%以上使用した、苦みが弱くフルーティーな酸味のある淡色ビール。ヴァイス、ホワイトビールとも言う。また、ろ過せずに瓶内醗酵するものをヘーフェヴァイツェン、透明に澄んでいるものをクリスタルヴァイツェンと言う。
アルト [Alt]
上面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:4.3〜5.0、 濃口
ドイツ/デュッセルドルフのビール。濃色麦芽を使用しており、ホップを利かせた独特の香りと苦味のある赤褐色ビール。「アルト」とは、ドイツ語で古いという意味。
スタウト [Stout]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:3.8〜8.0、 濃口
アイルランドのギネス社によって作られたビール。ローストした麦芽を使用した、香ばしさと深い苦みが特長の黒ビール。スタウトは、「強い」という意味。
ケルシュ [Kolsch]
上面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:4.5〜5.2、 辛口
ドイツ/ケルン地方のビール。淡色麦芽と小麦麦芽を使用するのが一般的。さっぱりとした飲み口が特徴のやや辛口の淡色ビール。
ポーター [Porter]
上面発酵、発祥国:イギリス、アルコール度数:5.0〜7.5
淡色麦芽と濃色麦芽を使用する黒ビール。アルコール度数が高い。
トラピスト [Trappiste]
上面発酵、発祥国:ベルギー、アルコール度数:6.0〜10.0
ベルギーの修道院で作られている伝統的なビール。エキス分の濃い濃色ビールで、瓶の中でも発酵が進行する。
セゾン [Saison]
上面発酵、発祥国:ベルギー、アルコール度数:5.0〜8.0
ベルギーのワロン地方発祥のビールで、ホップの苦味が効いたドライで酸味のある琥珀色や褐色のビール。これは昔、ベルギーの穀倉地帯の農家が夏の農作業中に喉を渇きを癒すために、農閑期の冬に醸造したのが起源。
フルーツエール [Fruits Ale]
上面発酵
様々な果物を使用したエール。種類によってはフルーツの味だけではなく、色や香りにも特徴が現われる。またそのキャラクターの強弱やアルコール度数もビールによって多種多様。


  ラガー系ビール   <下面醗酵ビール>
ラガー [Lager]
下面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:4.5〜5.5
低温貯蔵、熟成させたビール。「ラガー」とは、ドイツ語で貯蔵という意味。
ブロンドラガー [Blonde Lager]
下面発酵、発祥国:アメリカ、アルコール度数:4.0〜、 ライト
アメリカ西海岸で人気のビール。
ピルスナー [Pilsner]
下面発酵、発祥国:チェコ、アルコール度数:4.0〜5.0、 辛口
チェコ/ピルゼン地方のビール。軽快さを重視し辛口でキレのある喉越しが特徴の淡色ビール。ペールラガーとも言う。日本国内大手メーカーの淡色系ビールは、このタイプ。
ヘレス [Helles]
下面発酵、発祥国:ドイツ
ドイツ/バイエルン地方のビール。すっきりした喉越しの黄金色の淡色ビール。
デュンケル [Dunkel]
下面発酵、発祥国:ドイツ,濃口
ドイツ/ミュンヘン地方のビール。麦芽の一部をローストした、個性的な香りの濃色ビール。
ボック [Bock]
下面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:6.0〜8.0、 濃口
ドイツ北部/アインベック地方のビール。麦芽を贅沢に使用した高アルコール淡色から黒褐色まで様々な色のビール。一般的には黒褐色だが、色の濃さでへレスボックやデュンケルボックなどに分類される。さらに濃くしたアルコール分 7.5〜13.0のものを、ドッペルボックと呼ぶ。
ミュンヒナー [Munchner]
下面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:4.5〜5.0、 濃口
ドイツ/バイエルン地方ミュンヘンのビール。濃色麦芽とカラメル麦芽を使うコクのある黒ビール。ミュンヘンビール、ミュンヒナードゥンケルとも呼ばれている。
シュヴァルツ [Schwarz]
下面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:3.8〜5.0、 濃口
ドイツ/バイエルン地方発祥のビール。ローストされたモルトの香ばしい香りがあり、甘みが少ない黒ビール。
メルツェン [Marzen]
下面発酵、発祥国:オーストリア、アルコール度数:4.8〜6.0、 濃口
ウィーン麦芽を100%使用して醸造された赤みが強い褐色のビール。若々しい香りとさらりとした苦味が特徴的。アルコール度数はやや高め。ウィンナーラガー、オクトーバーフェストもこのスタイルのビールに該当。
ドルトムンダー [Dortmunder]
下面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:4.0〜7.0、 辛口
ドイツ/ドルトムント地方のビール。ピルスナータイプのビールで、発酵度を高めて辛口に仕上げたビール。通常のピルスナーに比べ、苦味は少し弱いがボディーが強く味も濃い。
ウィンナー [Vienna]
下面発酵、発祥国:オーストリア、 甘口
ウィーン地方のビール。やや甘口の、まろやかな口当りが特徴の赤味を帯びた中等色のビール。
ラオホ [Rauch]
下面発酵、発祥国:ドイツ、アルコール度数:4.6〜5.0
ドイツ/北バイエルンのバンベルグ地方のビール。燻製麦芽を使用した特有の香りがある燻製ビール。コクのある風味のわりにドライな飲み口の濃色のビール。
フルーツラガー [Fruits Lager]
下面発酵
様々な果物を使用したラガービール。種類によってはフルーツの味だけではなく、色や香りにも特徴が現われる。またそのキャラクターの強弱やアルコール度数もビールによって多種多様。


  天然発酵系ビール
ランビック [Lambic]
自然発酵、発祥国:ベルギー、アルコール度数:5.0〜6.0
ベルギー/ブリュッセルの南西に位置するパヨッテンラント地域で醸造されるベルギーの伝統的なビール。ホップはわざと古いものを添加する。この地域に生息する野生酵母を使う自然発酵で、独特な香りと強い酸味が特徴。
クリーク [Kriek]
自然発酵、発祥国:ベルギー
ベルギーで、若いランビックまたはグーズにチェリーを浸して発酵させたもの。チェリー風味で、甘苦い味がある。
フルーツ [Fruits]
自然発酵、発祥国:ベルギー、アルコール度数:1.0〜5.0、 甘口
ランビックで熟成させたビールに各種フルーツを半年間程浸したものや、ビールに果汁を添加したカクテルビールがあり、フルーツの味わいや色合いを楽しむ。日本ではビールではなく、発泡酒に分類される。


地ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母などの原材料や、それぞれの製造法などの違いによって、個性豊かに育まれています。 製造業者にも様々なこだわりがあり、従来の大手ビールメーカー系の喉越しの良さを追求した単一的なビールとは全く異なり、 様々な風味や味と出会うことが出来ます。


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