金澤麦酒


ブルーパブ名: [パブなし]
ビールの種類: ペールエール
ドライスタウト
ジンジャーエール
醸造開始: 2017年9月8日
アクセス: JR北陸本線、北陸新幹線、IRいしかわ鉄道線/金沢駅からバスで約20分、
「円光寺」バス停から徒歩2分
金沢駅からタクシーで約15分
URL: http://k-beer.jp/
Facebook: 金澤ブルワリー Kanazawa Brewery

製造元: 株式会社金澤ブルワリー
電話番号: 076-201-0500
住所: 石川県金沢市円光寺3丁目1番5号


金澤麦酒(かなざわびーる)は、石川県金沢市にある「金澤ブルワリー」で製造・販売しているビールです。
金澤ブルワリーがある金沢は、古くは江戸時代に100万石を誇った加賀藩の城下町として栄えた歴史的にも有名な都市で、 兼六園をはじめ、金沢城址や長町武家屋敷跡、東西の茶屋街、金沢21世紀美術館、近江町市場、忍者寺など、 観光資源では事欠かないところです。
金澤ブルワリーは、そうした金沢市内に2015年7月に誕生したマイクロブルワリーです。

金澤ブルワリーでは、原材料にイギリス産、ドイツ産の麦芽とイギリス産、アメリカ産、ドイツ産のホップを使用し、 金沢を流れる犀川の上流から採取される地元の美味しい水を仕込み水に使用して醸造しています。


ペールエール

金澤ブルワリーでは、自社ブランド以外に受託醸造も行っています。OEM供給先としては、
「KATAMACHI BEER/AKAZUKIN(アプリコットエール)、OOKAMI(スコティッシュエール)」 (片町商店街振興組合/石川)、
湯涌温泉街で販売する「※名称未定(ケルシュ)」(地域おこし協力隊/石川)があります。



金澤ブルワリーは、開業当初は犀川に架かる犀川大橋の近く、 野町にある「神明宮」の隣に建つ古い町家をリノベーションした醸造所兼事務所で、醸造を開始しました。 そこは、大通り(国道157号線)に面しており、香林坊や片町へも徒歩圏内にある好立地な場所だったのですが、 醸造設備拡張のため新工場を建設、 従来の醸造所からクルマで15分程度のところの同じ金沢市内の円光寺という繁華街から少し離れた場所へ、 2017年7月に移転しました。
その金澤ブルワリーの新工場は、以前ヘアサロンの店舗だった2階建ての建物を利用しており、 1階に醸造所があり、2階はモルト室、粉砕室、研究室などになっています。


金澤ブルワリー





醸造所の室内(1階フロア)


2階のモルト室(原材料置き場)


左の写真: スペシャリティモルト、 右の写真: ベースモルト


粉砕室の粉砕機(ミル)
左側のホースから湯を供給して、粉状の麦芽と湯を混合した状態で1階の仕込みタンクへ、流し込みます


研究室
ここでは、酵母の培養をしています


1階の仕込みタンク
左がろ過とワールプール、右が糖化と煮沸の機能を備えています
手順としては、初めに2階から粉砕され湯と混合された麦芽が右のタンクへ注入されて、糖化します
糖化が終わると左のタンクへ移して、ろ過します
ろ過が完了したら右のタンクへ移して、煮沸します
煮沸が終わると左のタンクへ移して、ワールプールに掛けて分離し、発酵タンクへ移します


発酵タンク
手前の発酵タンクが500リットル、その奥の2基の発酵タンクが150リットル、一番奥はホットリカータンク
ここで約1週間発酵させて、10日間冷却します


貯酒タンク
500リットルが2基
ここで、2週間程度、熟成させます


ボトルの充填機

ブルワーさんのご厚意で、熟成中の若ビールを試飲させて戴きました。


ペールエール


ジンジャーエール


ケルシュ


開業当初は、金澤ブルワリーの代表取締役を務める鈴森 由佳(すずもりゆか)さんが、 経営からビールの醸造まで、すべてを一人で切り盛りしていました。
これまでの金澤ブルワリーの生い立ちを振り返ると、 金沢に本社を置き不動産事業支援や金融機関の支援業務などを手掛ける株式会社不動ホールディングスの傘下で、 2015年7月7日に株式会社金澤ブルワリーを設立しました。 2016年1月27日に酒類等製造免許(発泡酒)を取得、 同年5月22日に金澤麦酒の販売開始に漕ぎ着けました。
その後、同年12月に醸造歴25年以上という経験豊富なベテラン醸造家の藤木 龍夫(ふじきたつお)さんが加わり、 それからは主にビールの醸造は藤木さんが担当し、鈴森さんは経営や渉外/広報活動を中心に担当するようになりました。 藤木さんが着任したことで、2017年3月29日には酒類等製造免許(酒母)を取得し、 本格的に酵母の培養にも力を入れて行くことになります。
製造能力増強を目指して、2016年より計画してきた新工場の設置も着々と準備を進め、 2017年5月には新工場へ醸造設備が導入されました。 そして、2017年7月7日に新工場への酒類等製造免許(発泡酒)の移転も完了し、 新工場での仕込みが開始され、同年9月8日から新工場で醸造する金澤麦酒の販売が開始されました。
2018年には、醸造設備の増強を計画しています。 追加で、1キロリットルの発酵タンク×2基と、1キロリットルの貯酒タンク×3基を導入する予定です。



醸造を担当する藤木 龍夫さんは、大阪府大阪市の出身で、 若い頃から音楽と映画が欠かせないというベテランの醸造家です。 元々は日本酒職人として杜氏をしていた方で、それもあって酵母に関してとても造詣が深く、 ご自身で育てた酵母を大切に今も守り続けています。 ビール造りを始めたのは1990年代後半の地ビール黎明期からで、 1995年〜1999年に亘り奈良県のヤマトブルワリーで「倭王」(わおう) の醸造に携わったのが始まりでした。 その後、日本酒造りに一旦もどるのですが、東京・両国のポパイのオーナー青木さんとの出逢いにより、 2014年〜2016年にかけて新潟県のストレンジブリューイングで醸造に携わります。 そして、2016年12月に金澤ブルワリーへ移籍しました。
ストレンジブリューイングに携わった2年間の新潟県南魚沼市での生活は、 大阪育ちの藤木さんにとっては不慣れなことの連続でした。 生まれて初めての雪深い農村地帯での暮らしは、コンビニや飲食店街が近くには全くなく、 好きな映画を見に行くにもクルマで片道40分の道のりを走って通ったとのこと。 それに比べて金沢での生活はとても便利で、 最も近い映画館へは自宅の椅子から映画館の座席までの所要時間が徒歩10分になったそうです(笑)

藤木さんは、常々からビール醸造における酵母の大切さについて、語ってくれます。 「この20年、ビール造りは成長していない。未だに酵母を混ぜるだけの醸造しかできていない。 大手ブルワリーですら、ドライイーストを使っている。 酵母を育てることから始める醸造ができていない。」と残念そうに語ります。
また、昨今新しいブルワリーが全国で次々と立ち上がっている中で、 新進ブルワーを養成している醸造現場では、醸造のオペレーションばかりを教えていて、 座学による経営や事業継続の知識については満足に教えていないという現状に、 強い問題意識を持っていました。 このような状態が続いていけば、ブルワリーの数は以前より増加するだろうが、 1990年代後半に起こった第1次地ビールブームの時のように、 やがて撤退を余儀なくされる醸造所が、今後増えて行くのではないかと懸念を募らせていました。

そうした現状も鑑みながら、「今後は酵母ビジネスで基礎固めを進めて、 まずは実績をつくっていきたい。」と語っていました。


醸造担当の藤木 龍夫さん

藤木さんのご厚意で、研究室の中もご案内戴きました。


酵母の研究室


純粋培養された酵母は、冷凍庫の中で長年冷凍保存しています
※ 純粋培養とは、複数が混ざることなく単一の種類の酵母として培養すること


奈良のヤマトブルワリーでビール造りをしていた頃の酵母を冷凍保存して、今も使い続けています


冷蔵庫の中にはスラント酵母
※ スラントとは、試験管に寒天培地を入れて、酵母を培養するもの


このケースの中で酵母を増殖させていきます


ビアクルーズ管理人の一言:
2017年9月、金澤ブルワリーの新工場で製造するビールの販売が開始されたと聞いて、早速訪れてみました。
香林坊近くのラーメンとクラフトビールを扱うビアバー「Ramen&Bar ABRI」(らーめんあんどばー あぶり)で、 金澤麦酒のペールエールを飲みました。



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