NOMCRAFT Brewing


ブルーパブ名: [パブなし]
ビールの種類:
NOMCRAFT IPA (アメリカン インディア ペールエール)
HOPPY DRY HAZE (ヘイジー ペールエール)
GOLDEN SUMMER ALE (ゴールデンエール)
JEDIPA[ジェダイピーエー] (アメリカン インディア ペールエール)
JUICE IPA (アメリカン インディア ペールエール)
HAZY HOP BOMB (ヘイジー ペールエール)
GOLDEN SUMMER BREAK (ゴールデンエール)
NOMCRAFT ENGLISH IPA (アメリカン イングリッシュ インディア ペールエール)
NOMNOM GOLDEN (ゴールデンエール)
HOP VIKING (ダブル ヘイジー インディア ペールエール)
EBBEGARDEN (セッション ヘイジー インディア ペールエール)
FRESH HOP IPA (アメリカン インディア ペールエール)
AKI NO MICHI (オータムエール)
HOUSE BLEND (オートミール コーヒー スタウト)
RYE PUNCH (ライ インディア ペールエール)
BELGIAN MOSAIC IPA (ベルジャン インディア ペールエール)
Mikan Harvest Haze (ヘイジー インディア ペールエール)
RED SUN RYEDER (レッド インディア ペールエール)
LET'S GO WEST (ウェストコースト ペールエール)
CACAO BLEND (チョコレートオートミール スタウト)
KojIPA (スペシャリティ インディア ペールエール)
EBBEGARDEN 2.0 (セッション ヘイジー インディア ペールエール)
2010 IPA (アメリカン インディア ペールエール)
MAD HATTER'S BEER PARTY (ヘイジー インディア ペールエール)[IBREW新橋駅前店コラボ]
Sansho Skies (アメリカン ペールエール)
CALYPSO & BRAVO (アメリカン インディア ペールエール)
HOPPY THE BARBERIAN (ダブルドライホップ インディア ペールエール)
BRIGHT SKIES IPA (ウェストコースト インディア ペールエール)
Lil' FUNK (ファームハウス インディア ペールエール)
NOMNOM SANSHO GOLDEN (ゴールデンエール)
ALL TOGETHER (ダブルドライホップ インディア ペールエール)
EBBEGARDEN 3.0 (セッション ヘイジー インディア ペールエール)
SANSHO EBBEGARDEN (セッション ヘイジー インディア ペールエール)
SANSHO NOMCRAFT IPA (アメリカン インディア ペールエール)
CHOCO COCO COMBO (チョコレートココナッツポーター)
Slo-Mo IPA (アメリカン インディア ペールエール)
EBBSESSION (セッション ヘイジー インディア ペールエール)
CHUN CHUN HAZY (ヘイジー インディア ペールエール)
TOROPICAL FUNK (ファームハウス インディア ペールエール)
1st Revolution IPA (ダブルドライホップ インディア ペールエール)
PASSIONFRUIT SOUR (フルーツ サワーエール)
SPACE MELON (ホッピー ペールエール)
NORDIC FUNK (ファームハウス インディア ペールエール)
UNICORN DRIFT (ダブルドライホップ インディア ペールエール)
LOGGER LAGER (インディア ペールラガー)
THE PITS (セッション インディア ペールエール)
SANSHO GOSE (ゴーゼ)
PINK DYNAMO (フルーツ サワーエール)
FUNKY GARDEN (ファームハウス インディア ペールエール)
RED WOODS (レッド インディア ペールエール)
HOP STRATA-GY (ダブルドライホップ インディア ペールエール)
MICHIGAN PUNCH (ホッピー ペールエール)
HOPPY LURE (ダブルドライホップ インディア ペールエール)
HOP MANIAC (アメリカン ウィート インディア ペールエール)
SOUR IPA (サワー インディア ペールエール)
HOP TO THE FUTURE (アメリカン インディア ペールエール)
RETURN OF THE JEDIPA (アメリカン インディア ペールエール)
HOPPY MIKAN (アメリカン ウィートエール)
CACAO BLEND 2.0 (チョコレートオートミール スタウト)
RED SUN RYEDER 2.0 (ライ インディア ペールエール)
醸造開始: 2019年5月23日
URL: https://nomcraft.beer/
Facebook: Nomcraft Brewing
Online Shop: https://nomcraftbrewing.stores.jp/

製造元: 株式会社CAMPS有田川
電話番号:
住所: 和歌山県有田郡有田川町長田546番地1

NOMCRAFT Brewing(ノムクラフト ブルーイング)は、 和歌山県有田川町へ2019年に誕生したマイクロブルワリーです。
NOMCRAFT Brewingがある有田川町(ありだがわちょう)は、和歌山県の中央部に位置し、 農業が盛んなところで、有名な「有田みかん」をはじめ、 ハッサク、山椒、ぶどう、梅、キウイ、桃などの農産物で知られるほか、 高野山に源を発する清流として名高い有田川が町の中央部を流れています。 ※2006年1月1日に吉備町、金屋町、清水町が合併し有田川町となりました。
その有田川町にある複合施設「THE LIVING ROOM」(リビングルーム)の一角にNOMCRAFT Brewingがあります。 IPAにフォーカスを当てたラインナップが特長のNOMCRAFT Brewingでは、 毎月様々なフレーバーのIPAが続々と醸し出されています。そうしたビールを楽しみたい時は、 同施設内のカフェ「GOLDEN RIVER」(ゴールデンリバー)や、 東京・大阪などのビアバーで樽生を飲めるほか、 NOMCRAFT Brewing内のボトルショップで瓶ビールを購入することができます。


NOMCRAFT Brewingのある「THE LIVING ROOM」


NOMCRAFT Brewing


NOMCRAFT Brewingのエントランス


NOMCRAFT Brewingのボトルショップ

NOMCRAFT Brewingでは、ホップのキャラクターが楽しめるアメリカンIPAを中心に醸造しています。 原材料には、カナダ産、ドイツ産、ベルギー産の麦芽とアメリカ産、ニュージーランド産、オーストラリア産、フランス産、ドイツ産のホップを使用し、 高野山に源を発する「空海水」と呼ばれる伏流水を仕込み水として使用して醸造しています。 「空海水」(くうかいすい)は、 弘法大師(空海)が発見した不老長寿の霊水であるとの言い伝えのある国内でも有数の質の良い水と言われています。
定番のひとつ、NOMCRAFT IPAは、大量なホップによるシトラスやパパイヤのアロマと、モルトの甘さ、 スッキリとした苦味を持つ伝統的なアメリカンIPAです。肉料理とのペアリングがお薦めです。
NOMNOM GOLDENは、ポートランド仕込みのレシピで、 ヨーロッパ産ホップを使用したホワイトグレープの爽やかなアロマが心地よいゴールデンエールです。

NOMNOM GOLDEN

HOUSE BLEND


NOMCRAFT IPA

NOMNOM GOLDEN

NOMNOM SANSHO
GOLDEN

SANSHO
NOMCRAFT IPA

EBBSESSION

HOP MANIAC

SOUR IPA

HOP TO
THE FUTURE

RETURN OF
THE JEDIPA

HOPPY MIKAN

CACAO BLEND 2.0

RED SUN
RYEDER 2.0

 
■■■ GOLDEN RIVER
GOLDEN RIVER(ゴールデンリバー)は、THE LIVING ROOM内にあるアメリカンテイストのカフェバーで、 NOMCRAFT Brewingを中心に国内外のクラフトビールを提供しています。 「クラフトビールが作るコミュニティ」をコンセプトに、 THE LIVING ROOMのグランドオープンと同じ2018年8月1日にオープンしました。 アメリカ西海岸・ポートランドでは、ブリューパブに地元の人たちが集い、コミュニティが形成されて、街が息づいている。 そんな様子に学ぶべきところがあると考え、クラフトビールを通して新しい有田川町のコミュニティの発展を目指しています。 ボリュームたっぷりのハンバーガーや本格アメリカンフードと、クラフトビール、ナイトロコーヒーを楽しめるお店です。


GOLDEN RIVER


GOLDEN RIVERの店内





カウンター席


カウンターの奥には、8本のタップ


店内にはポートランド製品を扱うショップがあります

GOLDEN RIVER  (TEL: 0737-53-3005/火水休/11:00~22:00/
所在地: 和歌山県有田郡有田川町長田546-3/
アクセス: JR紀勢本線/藤並駅からタクシーで約10分/
URL: https://golden-river.jp/
Facebook: https://www.facebook.com/GOLDENRIVER546
運営: 株式会社オレンジライフ )



NOMCRAFT Brewingは、和歌山県有田川町が推進している地方創生プロジェクトの取り組みに共感し、 地域のコミュニティを創造して行きたいと考えた3人のブルワーたちが立ち上げたマイクロブルワリーです。 そして、ブルワリーがある複合施設「THE LIVING ROOM」は、以前保育所だった建物をリノベーションしたもので、 地方創生プロジェクトのシンボルともいうべき施設です。
NOMCRAFT Brewingが誕生したきっかけは、 大阪・梅田の阪神百貨店で開催されたポートランドフェアに、有田川町のブースを出展したことでした。 その時たまたま訪れたポートランド出身の醸造家が有田川町の取り組みに耳を傾け、 有田川町のプロジェクトチームとの交流が始まったことがNOMCRAFT Brewingへとつながって行くことになります。 そしてまた、その背景には人口減少や高齢化と言った地方が抱える課題に直面していた有田川町を舞台に、 ポートランドをお手本に地方創生に取り組む地域住民の活動がありました。

はじめに、NOMCRAFT Brewing誕生の背景となる有田川町の地方創生プロジェクトをご紹介します。
有田川町の地方創生プロジェクト「~有田川という未来~ ARIDAGAWA2040」は、 「暮らして楽しい有田川町」の実現を目指して、2015年6月にスタートしました。 プロジェクトが発足するきっかけとなったのは、 2014年に日本創成会議で発表された推計データによる「消滅可能性都市」リストの公開でした。 これは2010年から2040年に掛けて20~39歳の女性が5割以下に減少する可能性がある自治体のリスト(全国896市町村)で、 有田川町も名を連ねていました。 消滅可能性都市の先には、働く世代1人が高齢者1人を支える人口構造になり、人口減少によって町の税収が減る一方で、 医療費を含む社会保障費や老朽化する公共施設・設備の更新など自治体にかかる負担が大幅に増加すると予想され、 そうなると自治体を維持することができなくなるという問題が待っています。 このことに強い危機感を感じた有田川町では、 これからの未来を担う若者たちが活き活きと暮らし働けるまちにしたいという思いから、 地域住民が主体となってまちづくりを進めるためのプロジェクトチーム「Keep Aridagawa Weird」 (略して、AGW)を発足しました。

AGWでは、住民主体のまちづくりをどのように進めたらよいのかを学ぶため、 またスムーズにプロジェクトを推進するために、 「全米で住みたい街No.1」として注目を浴びるポートランド市と連携することにしました。 「ポートランド」と言えば、ビアクルーズをご覧の皆様には「クラフトビールの都」としてよく耳にすることと思いますが、 実は「まちづくり」という観点でも日本で話題になっています。 1970年代頃のポートランドは、工業都市として大気汚染が進み、市民の流出が止まらない印象の悪い都市でした。 そうした中、市民が立ち上がり、周辺の自然を活かした住民主体のまちづくりを官民一体となって進めた結果、 40年の時を経て「全米で最も住みたいまち」へと変貌を遂げました。 AGWのメンバーも、こうしたポートランドの取り組みに倣い、住みやすい環境を自ら作ろうと考えたのでした。 具体的な活動としては、ポートランド市開発局の担当者を招いた講演会の開催から始まり、 空き家の活用、ガイドマップの制作などがあり、保育所跡の再生という大規模計画もその一つでした。

58年間の歴史に幕を降ろし、2016年3月に廃園を迎えた田殿保育所。 AGWのメンバーは、その保育所跡を地方創生プロジェクトの核となる施設として再利用することを決め、 建物の改装工事に取り掛かると2018年5月には工事も完成し、地域のコミュニティ基地として甦らせることができました。 このリノベーション・プロジェクトに於いては、ポートランドのまちづくりのビジョンを参考とするため、 ポートランドの都市デザインに関わった以下のプロフェッショナルメンバーにも入ってもらいました。
- 建築設計には、Propel Studio(プロペルスタジオ)
- ランドスケープデザインには、PLACE studio(プレイススタジオ)
こうして、この複合施設は「THE LIVING ROOM」と命名されて、2018年8月1日にグランドオープンを迎えることができました。 またそれに合わせて、職員室だった部屋をリノベーションした第1号テナントとして、 カフェ「GOLDEN RIVER」が同時にオープンしました。
※以上が、地方創生プロジェクトのご紹介となります。

NOMCRAFT Brewingを運営する株式会社CAMPS有田川(キャンプスありだがわ)の代表取締役 森本 真輔(もりもとしんすけ)さんは、有田川町の出身で、地元家具店の三代目です。 生まれも育ちも有田川町という生粋の有田川っ子という森本さんは、 1963年に創業した株式会社丸十家具(まるじゅうかぐ)の代表取締役が本業です。 地方都市の家具店としては、非常に洗練された売り場づくりがされており、 2013年7月には大掛かりな店舗リニューアルを経て売り場面積も拡大。 全国からセレクトした家具や、独自のセンスで数多くの雑貨も取り揃えており、現在はポートランド製品も扱っています。 その森本さんは、地方創生プロジェクトでは、AGWの代表も務めています。
株式会社CAMPS有田川の社名の由来は、いわゆるキャンプの複数形の"CAMPS"を引用しており、 ビールや自然などをイメージしてもらえる言葉を「有田川」に冠すことにしました。 将来的にはビール以外にもいくつか事業の展開を考えていたことから、 「ブルーイング」の様なビールを強く意識させるものを避けてネーミングしたそうです。

NOMCRAFT Brewing設立の発起人でありマスターブルワーを務める「Ben」こと、 Ben Emrich(ベン エムリック)さんは、米国オレゴン州ポートランドの出身で、 これまでにもいくつかの醸造所やビアバーで働いた経験を持ち、 ビールに関する豊富な知識と知恵を兼ね備えた職人肌の醸造家です。 NOMCRAFT Brewingでは、マスターブルワーとして醸造マネジメント、醸造アドバイザーを担当しています。
「クラフトビールの都」と言われるポートランドで生まれ育ったベンさんは、 自身がビールを飲み始めるずっと前からクラフトビールが常に生活の一部として存在していて、 2008年頃より醸造所やビアバーで働くようになりました。 そして、2011年に仕事の関係で来日、6年間大阪にある英会話教室に勤務していました。 日本のことはすぐに気に入ったものの、クラフトビールに関しては物足らなさを感じていました。 日本国内にも醸造所やビアバーが増えつつありましたが、ポートランドの様なコミュニティとはなっておらず、 ベンさんはいつか日本でもクラフトビールコミュニティを広めたいと考えていました。

営業担当兼ブルワーの「Adam」こと、 Adam Baran(アダム バラン)さんは、Hazy IPAの都、米国イリノイ州シカゴの出身で、 ビールのソムリエであるCicerone (シセロン)の資格を持つ野球とバスケットボールが好きな醸造家です。 担当は、醸造の他、営業、ビールの品質管理、レシピ作成、フードペアリングなど。
シカゴの郊外で生まれ育ったアダムさんは、子供の頃から運動神経が抜群で、特にチームスポーツが大好きでした。 そうしたこともあって、アダムさんは今でもチームワークを大切に重んじています。 また、大学を卒業したあたりからクラフトビールを好んで飲むようになり、クラフトビールへの思いも高まって行きました。 そして、2011年に仕事で来日し、6年半の間、ベンさんと同じ大手英会話教室に勤務していました。 来日して初めの3年間は兵庫県加古川市の教室で働いていましたが、 その後は大阪の教室へ異動となり、そこでベンさんと知り合います。

PR担当兼ブルワーの「Takumi」こと、 金子 巧(かねこたくみ)さんは、愛知県豊橋市の出身で、世界中を旅しながらクラフトビールを満喫し、 ポートランドを訪れた際に有田川町の人々と運命的な出逢いを果たし、有田川町に移住することとなった醸造家です。 担当は、醸造の他、広報宣伝、保育所のリノベーション、まちのコミュニティづくりなど。
金子さんは、豊橋市で生まれ育ち、 大学卒業後、2013年からバックパッカーとして世界中を転々としながら過ごしてきました。 金子さんのクラフトビールとの出逢いは、2016年3月から1年程オーストラリアのメルボルンに滞在していた時のこと。 とあるバーで初めて飲んだとてもホッピーなペールエールが、衝撃的な美味しさに感じられたと言います。 そのことがきっかけでクラフトビールに夢中になっていった金子さんは、 しばらく様々な味のビールを求めて、時間を見付けてはあちらこちらのブルワリーを訪ねるようになりました。 また、アウトドア派だった金子さんが次に向かったのはカナダでした。 日本へ一旦帰国した後、2017年3月から7ヶ月間に亘りカナダのアルバータ州ジャスパーを訪れて、 「Jasper Brewing Company」(ジャスパーブルーイングカンパニー)というブルーパブでコックとして働きながら、 トラウトフィッシングを楽しむ日々を過ごしました。

カナダでの滞在を終え日本に帰国する前に、ポートランドも旅して行こうと思い、 2017年10月初旬から2週間の予定でポートランドへ向かいました。 ポートランド滞在中のある日、 自家栽培のハーブや野菜が食卓に並ぶというレストラン「The Side Yard Farm」を併設する農場があると知って、 早速連絡を取り訪れてみました。 そこでボランティアとして農作業の手伝いをさせてもらっていると、その農場を訪れていた日本人の一団に気づきました。 それが現地視察のため訪れていた有田川町のAGWのメンバーだったのです。 金子さんは久々に見る日本人に興味津々で、彼らからAGWの活動について話を聴きました。 「帰国した際には、遊びにおいでよ」と誘われた金子さんは、その後帰国するとすぐに有田川町へ向かうことにしました。 初めて訪れた有田川町では、みかんの収穫を手伝ったり、丸十家具の仕事を手伝ったりしながら、 11月からクリスマス前まで過ごしました。

同じ英会話教室に勤務していたベンさんとアダムさんは、 2014年にアダムさんが加古川から大阪へ転勤したタイミングで、職場の同僚として知り合いました。 その後、元々クラフトビールの仕事に就きたかったという共通の思いからすぐに二人は意気投合。 その当時の日本国内のクラフトビール事情は、アメリカのそれと比較するとまだまだ成長途中にあり、 いつかは日本のどこかで自分たちの想い描くクラフトビール事業を実現したいと考えていました。 それからしばらくして、 大阪・梅田の阪神百貨店梅田本店で2017年の4月26日~29日にかけて開催された「ポートランドフェア2017」をベンさんが訪れると、 有田川町のブースが出展されており、ここでベンさんは初めて有田川町のことを知ると共に、 AGWのメンバーからまちづくりの活動の話を聴きました。

ビールの副原料となる柑橘類の産地であり、きれいな水に恵まれているという有田川町に興味を持ったベンさんは、 さらに有田川町について調べてみたところ、AGWの活動をより深く知ることができ、 有田川町の環境が自分の目指すビール造りにも適していると思いました。 そうして、AGWのメンバーとネット(Skypeミーティング)で連絡を取り合うようになり、 2017年11月にはAGWのメンバーに向けてブルワリーに関するプレゼンテーションを実施しました。 「クラフトビールで創るコミュニティ」というテーマで、ブルワリーが有田川町を高めていくという内容の提案に、 森本さんはじめAGWのメンバーも共感してくれました。 この時、有田川町を訪れていた金子さんが通訳として同席しており、 それがきっかけで後にベンさんは、金子さんをブルワリーの立ち上げに誘いました。

それからベンさんは、2018年1月に有田川町を訪れて、町内の見学ツアーに参加すると、 コミュニティスペースとして活用を検討していた旧田殿保育所を見学に訪れ、 その雰囲気をとても気に入って、ここでビール造りを始めたいと思いました。
それからベンさんは、改めてビール造りを学ぶため地元ポートランドへ一旦帰国します。 そして、ポートランドの「Lompoc Brewing」(ロンポックブルーイング)で醸造研修を受けた後、 2019年1月中旬に有田川町へ戻って来ました。
一方、アダムさんも一足早く2017年の内に、ビール造りを学ぶため地元シカゴへ一旦帰国して、 ブルーパブでタップの仕事をしながら、ホームブリューイングを始めました。 そして、2018年12月初に有田川町へ戻って来ました。

ベンさんからブルワリーの立ち上げに誘われた金子さんは、ビール造りの研修が必要になったことから、 2018年2月にオーストラリアへ再び旅立ちました。 そして、メルボルンの「HAWKERS BEER」(ホーカーズビア)で醸造研修を受けることになり、6月まで滞在しました。 帰国後は、7月~10月に掛けて岩手県北上市にあるさくらブルワリーのスティーブンさんのもとで3ヶ月程研修を受けた後、 2018年11月に有田川町へ戻って来ました。

2018年9月10日には、株式会社CAMPS有田川を設立。 その後、同年11月初からはブルワリー開設に向けて旧保育所の改修工事も始まり、 DIY作業を中心とした部屋の模様替えが進んで行きました。 2019年1月中旬には、NOMCRAFT Brewingのロゴマークも決まり、続いて2月初旬には醸造タンクが搬入され、 同年3月末には遂にブルワリーが完成しました。 給食室を醸造所に、お遊戯室をオフィスフロアへとそれぞれリノベーションされた建物は、 外壁や室内の所々に保育所の面影が残っています。

2019年4月25日に酒類等製造免許(発泡酒)を取得すると、同年4月27日に初仕込みに臨み、 同年5月23日には地元住民に限定したお披露目パーティの開催に至りました。 そして、同年5月25日から二日間に亘り大阪・湊町リバープレイスで開催された「クラフトビアライブ2019」の会場で一般販売を開始、 その翌週からはケグでの飲食店業者向けの販売がスタートしました。 また、同年12月からは、瓶ビールの販売も開始しました。
2020年5月17日には、オフィスフロア(旧お遊戯室)の一角へボトルショップもオープンしました。

NOMCRAFT Brewingの名の由来は、日本語で「飲む」の発音である「nom」と、 職人の英語表記「craft」を掛け合わせた造語で、 『美味しい飲みものをクラフトする(ところ)』という意味を込めてネーミングしました。

NOMCRAFT Brewingの今後についてベンさんと金子さんにお尋ねしました。
ベンさんは、「現在はIPAにフォーカスを当てて造っています。 その理由の1つは、私の生まれ育ったポートランドではIPAが当たり前になっていて、 私自身の中でもスタンダードとなっています。 2つ目の理由は、IPAがすべてのスタイルを包含できるからだと思います。 言い換えると(ビールならば)『ホッピー』であること、かな!?。 私自身、ホップの香りが大好きなので、レッドエールやラガーを造るときでも、強いホップのフレーバーを与えています。 また、こうしたことはアメリカにある多くの醸造所で一般的であり、 数多くのところでIPAでなくても、あらゆるビールで多くのホップを使用していると思います。 だから、いつかはビアスタイルの名前を考え直す時が来るかもしれませんね。
(NOMCRAFT Brewingについて)将来的には、もっと酸味の強いビールを造りたいと思っています。 また、レッドエールやラガーにもフォーカスを当てて行きたいと思います。 そして、私の夢は、アメリカの他の醸造所に協力してもらい、あらゆるスタイルのビールに興味を持っていることから、 思いも寄らなかった新しいスタイルのビールを造ることができるようになることです。」と語ってくれました。

金子さんは、「現在の販売構成は、ケグ販売とボトル販売の比率が7:3の割合となっています。 近いうちにボトリングマシン(瓶の充填機)を導入して作業効率をアップさせて、 ケグ販売とボトル販売の構成比を5:5にして行きたいと思っています。 また、その先も缶ビールの製造ラインの導入も検討しているところです。」と語ってくれました。
NOMCRAFT Brewingのみなさんのご厚意で、ブルワリーを見せてもらいましたので、ご紹介します。


醸造設備 (中国製)


仕込み設備
左のタンクから、貯湯タンク(ホットリカー)、 糖化槽(マッシュタン)兼ろ過槽(ロイター)
煮沸槽(ケトル)兼ワールプール、 冷水タンク(グリコールタンク)





左から、700リットルの発酵タンクが4基、 600リットルの貯酒タンクが2基


700リットルの発酵タンクが4基


600リットルの貯酒タンクが2基


プレハブ冷蔵庫


冷蔵庫の中には出荷を待つケグや瓶ビールが積まれています


原材料の麦芽


麦芽の粉砕機(ミル)


ビンの充填機


ケグの洗浄機


ベンさん


アダムさん


タクミさん

NOMCRAFT Brewingのこれまでのあゆみは、以下の通りです。
2018年9月10日株式会社CAMPS有田川を設立
2019年3月末ブルワリー完成
2019年4月25日酒類等製造免許(発泡酒)を取得
2019年4月27日初仕込み
2019年5月23日有田川町住民限定のお披露目パーティでビールをリリース
2019年12月瓶ビールの販売開始
2020年5月17日ボトルショップを開設



ビアクルーズ管理人の一言:
2020年1月、東京都内のクラフトビール専門店「クラフトビアマーケット 神保町店」を訪れて、 NOMCRAFT Brewingのビールを初めて飲みました。
2020年12月、和歌山県有田川町にある「NOMCRAFT Brewing」を訪れて、ボトルビール12種類を購入し、自宅で飲みました。



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