Hakuba Brewing Company


ブルーパブ名: [パブなし]
ビールの種類: HAKUBA Pale (ペールエール)
HAKUBA Black (ポーター)
HAKUBA IPA (インディア ペールエール)
HAKUBA Amber (アンバーエール)
HAKUBA Session IPA (セッション インディア ペールエール)
HAKUBA Gold (ゴールデンエール)
HAKUBA 7HOP Extra Pale Ale (ペールエール)
HAKUBA DIPA (ダブル インディア ペールエール)
醸造開始: 2019年11月5日
URL: http://www.hakubabrewery.com/
Facebook: Hakuba Brewing Company (ハクバ・ブルーイング・カンパニー)

製造元: 合同会社Hakuba Brewing Company
電話番号: 080-8905-4362
住所: 長野県北安曇郡白馬村大字神城24191番地17

Hakuba Brewing Company(ハクバ ブルーイング カンパニー)は、 長野県白馬村へ2015年に誕生したマイクロブルワリーです。
Hakuba Brewing Companyのある白馬村(はくばむら)は、長野県の北西部に位置し、 日本アルプスを望むスキーリゾートとして名高く、 冬季はスキーやスノーボードで賑わい、夏季には登山やハイキングが盛んで避暑地としても知られています。 「白馬」(はくば)という地名は、白馬連峰の白馬岳(しろうまだけ)に由来すると言われています。
そんな白馬にあるHakuba Brewing Companyは、創業当初、 白馬村内の岩岳スキー場に隣接するレストラン「Hakuba Brewery Pub」 (ハクバ ブルワリー パブ)に併設するブルワリーとしてオープンしました。 その後、2019年に生産規模拡大のため、同じ白馬村内の神城(かみしろ)へ移転しました。

北アルプスの唐松沢雪渓(からまつざわせっけい)より時間を掛けてゆっくりと流れくる雪解け水。 Hakuba Brewing Companyでは、そうした白馬の地下水を仕込み水として使用し、 原材料にはイギリス産、カナダ産の麦芽とアメリカ産、イギリス産、オーストラリア産、 ニュージーランド産のホップを使用して醸造しています。 そして、ボトルコンディショニングと言って、 瓶に詰められた後も二次発酵(瓶内発酵)を続ける製法で造られていますので、 飲んだ時のコンディションによって味や香りを楽しめます。

HAKUBA Amber

Pale

Black

IPA

Amber

7HOP

合同会社Hakuba Brewing Companyの代表取締役社長で醸造責任者のDaniel Cockburn(コウバーン ダニエル)さんは、 イギリス西部の港湾都市「Bristol」(ブリストル)の出身で、 仕事で世界中を周りながら様々なビールと出逢ってきた醸造家です。
コウバーンさんは、英国ブリストルで生まれた後、幼い頃はピーターラビットの舞台になった湖水地方で育ち、 その後自然豊かなスイスで5~6年を過ごしました。 進学した英国ケンブリッジ大学では、自然科学を専攻し修士過程に進み、その中で発酵学も学んでいました。

コウバーンさんが初来日したのは大学在学中の1999年で、JETプログラム(※1)で日本に招かれ、 「忍野八海」(おしのはっかい)で知られる山梨県忍野村で2年間ほど中学校の英語教師をしていました。 そして来日から1年程たった頃に、白馬村を訪れる機会があり、 白馬の豊かな自然に触れていつか白馬に住んでみたいと思うようになりました。 それから、2001年にイギリスへ帰国し、修士過程を卒業後は10年程ロンドンに住んでいました。 [※1: JETプログラムとは、外国語青年招致事業のことで、 地方公共団体が総務省、外務省、文部科学省及び財団法人自治体国際化協会の協力の下、 外国人青年を地方自治体等へ招致して語学指導を行い、 外国語教育の充実と地域の国際交流の推進を目的とする活動です。]

その頃に奥様であるコウバーン 弘華(ひろか)さんと知り合います。 弘華さんは、福岡県浮羽町(現在は、うきは市)の出身で、幼い頃は佐賀県鳥栖市で育ちました。 そうして、2004年にお二人は目出度く結婚する運びとなり、当時はロンドン在住でしたが結婚式を福岡で挙げました。

コウバーンさんがビール造りを始めたのは、実は大学を卒業して間もない頃でした。 2002年よりホームブリューイングを始めて、独学でビール造りを学んで行きました。 また2年程、ビール製造会社に勤務したこともありました。 2006年3月には英国の大手旅行会社「Exodus Travels」(エクソダストラベル)に入社。 同社が販売する旅行の現地視察のため、世界各地を訪れては地元のビールを必ず飲み、多様な風味に触れて来ました。
一方、元々スキーやスノーボードが好きだったということもあり、 水と雪山が綺麗な白馬へのあこがけは尚も冷めることなく、やがて白馬への移住を決意します。 そうして、2011年12月にそれまで約6年間勤務した旅行会社を退職し、白馬に移り住みました。

白馬で生活を始めてしばらくすると、コウバーンさんと同様に白馬の雪山に魅せられて東京から移住してきたという オーストラリア人のDaniel Bacon(ベイコン ダニエル)さん、綾子さん夫婦と知り合います。 ベイコンさんは、白馬・八方で貸別荘を営む「Hakuba Holiday」(ハクバ ホリデー)の経営者でした。 お互いクラフトビールの愛好家であるという共通点から意気投合するのですが、 白馬村内ではクラフトビールを飲めるところが非常に限られていました。

そうした中、ベイコンさんが白馬・岩岳スキー場のゲレンデ沿いのロッジを購入し、 その時の二人の何気ない会話から「クラフトビールが好きな自分たちが醸造所を始めて、 自分たちだけでなく多くの人たちに美味しい地元のクラフトビールを提供しよう」ということになり、 ブルワリーの開業がにわかに具体化して行きました。 そしてコウバーンさんは、 2014年8月26日にクラフトビールの製造・販売を実現するため合同会社Hakuba Brewing Companyを設立しました。

それからコウバーンさんは、 ベイコンさんのロッジの1階に開業する「Hakuba Brewery Pub」(ハクバ ブルワリー パブ) に併設する格好で自身のブルワリーを開設しました。2015年11月20日に酒類等製造免許(発泡酒)を取得。 それから醸造を開始して、 2015年12月21日より自家醸造ビールの販売を開始しました。

2018年12月27日には、Hakuba Brewing Companyの初の試みとして、 期間限定(冬季のみ)の自社テイスティングルーム&ショップ「白馬ビール テイスティングキャビン」を白馬村内に開設。

Hakuba Brewing Companyでは、時折定番ビールの欠品が出るようになり、ビールの生産拡大を検討し始めます。 そして、ブルワリーの規模拡張のため2017年頃より白馬村内で物件探しを始めました。 初めは土地の購入を視野に入れて探していましたが、なかなか良い物件が見付からず、 2年ほどが過ぎて神城地区の賃貸物件を見つけることができました。 そこは以前、工場兼倉庫だった建物で、館内にはクレーンも装備されている物件でした。 従来のブルワリーに比べて面積も広くなり、将来に向けて徐々に拡大していくことを考えれば今回は購入を見送ることとし、 一先ずはその賃貸物件を借りることにしました。

2019年8月に物件を契約し、醸造設備の移設を開始。 また、従来の設備に追加して、中国製の仕込み設備や2,000リットルの発酵&貯酒タンク4基などを新たに増設。 結果、生産能力も2倍以上にアップしました。 同年9月30日に、酒類等製造免許(ビール、発泡酒)を取得。 同年10月初旬には、従来のブルワリーからの移転も完了し、新ブルワリーでの醸造をスタート。 同年11月5日に、新ブルワリーにて醸造したビールの出荷を開始しました。

コウバーンさんにHakuba Brewing Companyの今後についてお尋ねすると、 「目標は、全国展開。現在は長野県内への流通に留まっており、首都圏や関西圏へはまだまだ少ししか出荷できていない。 今後、少しずつ出荷量を増やし、飲める地域の拡大を図って行きたいと思う。 そして、5年後(2025年頃)には、もう少し広い場所に土地を買って自身が所有するブルワリーを建設したい。 タップルームやビアガーデンも併設させて、白馬の観光地の1つにしたい。 冬季には国内外から多くのスキーやスノボーの愛好家が訪れるので、 アフタースポーツには是非ビールを飲んで楽しんでもらいたい。 そうして、白馬の観光にも貢献して行きたいと考えている。」と抱負を語ってくれました。

コウバーンさんのご厚意で、工場内の醸造設備を見せてもらいましたのでご紹介します。


Hakuba Brewing Company








仕込み設備  (新工場で新規導入した設備)
左側が糖化槽(マッシュタン)兼ろ過槽(ロイター)、 右側が煮沸槽(ケトル)兼ワールプール


奥のタンクが冷水タンク、 手前が貯湯タンク(ホットリカー)


冷水タンク、貯湯タンクの手前にあるのが、4基の2,000リットル発酵&貯酒タンクのうちの3基


新工場で新規導入した4基の2,000リットル発酵&貯酒タンクのうちの3基です


左側が4基の2,000リットル発酵&貯酒タンクのうちの残りの1基
右側のタンクは以前のブルワリーで煮沸釜(ケトル)として使用していたタンクで、現在はタンク洗浄に使用するアルカリ洗浄液の貯蔵に使用しています


以前のブルワリーで使用していた500リットル発酵&貯酒タンク6基のうちの3基


以前のブルワリーで使用していた500リットル発酵&貯酒タンク6基のうち残りの3基


ボトルの充填機
ボトルをセットするだけで全自動充填が可能となり、従来に比べかなり省力化されました


ボトルのラベラー
ラベル貼りも省力化


ケグの充填機


プレハブ冷蔵庫
以前のブルワリーからそのまま移設したものです


冷蔵庫の中では、出荷を待つ箱詰めされたボトルビールとケグが積み上げられています


ケグの洗浄機


代表のコウバーン ダニエルさん(右)、妻の弘華さん(左)

Hakuba Brewing Companyのこれまでの歩みは、以下の通りです。
2014年8月26日合同会社Hakuba Brewing Companyを設立
2015年11月20日北城のブルワリーにて酒類等製造免許(発泡酒)を取得
2015年12月21日北城のブルワリーで醸造したビールを販売開始
2019年9月30日神城のブルワリーにて酒類等製造免許(ビール、発泡酒)を取得
2019年11月5日神城のブルワリーで醸造したビールを販売開始



ビアクルーズ管理人の一言:
2020年1月、東京都内のクラフトビール専門店「クラフトビアマーケット 神田店」で、HAKUBA Amberを飲みました。
2020年9月、長野県白馬村にある「Hakuba Brewing Company」の新ブルワリーを訪れました。 そして、5種類のボトルビールを自宅で飲みました。
コウバーンさんには、充分過ぎるお心遣いを戴き、感謝しています。



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