Murmur


ブルーパブ名: Murmur biiru stand
電話番号:
住所: 栃木県日光市上鉢石町1013
定休日: 水木休
営業時間: 12:00~22:00
火曜日のみ: 10:00~15:00
ビールの種類: ジンジャーペールエール (ペールエール)
大火傷IPA[おおやけどアイ・ピー・エー] (インディア ペールエール)
ウィートエール
シナモンブラウン (ブラウンエール)
焼きまんじゅうスタウト (スタウト)
営業開始: 2018年6月29日
アクセス: JR日光線/日光駅、東武鉄道 日光線/東武日光駅から徒歩20分
Facebook: Murmur ”biiru” stand

製造元: マァマー株式会社
電話番号:
住所: 栃木県日光市上鉢石町1013番地

Murmur(マァマー)は、栃木県日光市へ2018年に誕生したマイクロブルワリーです。
古くから国内有数の観光名所として知られてきた日光ですが、時代の流れとともに客層にも変化が現れてきており、 日本人の泊まり客は減少し、一方外国人の日帰り客が増加してきています。このような変化がすすむ中、 日光駅から日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)や二荒山神社(ふたあらさんじんじゃ)へ向かうメインストリートの道中へ、 日光初のブルーパブがオープンしました。
マァマー直営のブルーパブ「Murmur biiru stand」(マァマー ビールスタンド)は、 1階が醸造所と立ち飲みスペース、デリバリーカウンターになっており、2階にはテーブル席があります。 店内では、自家醸造を含め常時6種類のビールが楽しめます。


Murmur biiru stand


Murmur biiru standのエントランス





外国人客の多い日光だけあって、店内外の掲示物のほとんどが英語表記です


Murmur biiru standの店内


1階の立ち飲みスペース


デリバリーカウンター





カウンターには6本のタップ





2階フロアへ


2階のテーブル席


店内の壁面は全体的に"日光"をイメージする朱色です


マァマーでは、原材料にカナダ産、ドイツ産の麦芽、イギリス産、アメリカ産のホップを使用し、 日光市内を流れる荒沢から取水される安良沢水源の水を仕込み水として使用して醸造しています。
ビールのネーミングにはオーナーさんの想い入れが込められているのですが、 外国人客が多いことから、ユニークな日本語名を付けても、英語で説明するのが難しくて、 『焼きまんじゅうスタウト』を「スタウト」と言ったように、結局省略して呼ぶようになるそうです。残念!!

ジンジャーペールエール

ウィートエール

シナモンブラウン

焼きまんじゅうスタウト


マァマーの代表取締役で醸造責任者の須藤 克支(すとうかつし)さんは、群馬県前橋市の出身で、 これまで様々なクラフトビール関係の仕事に就いてきた経験豊富な醸造家です。
須藤さんがビール造りを始めようと思ったきっかけは、 以前東京で暮らしていた頃に飲んだベルギービールとの出逢いからでした。 須藤さんは、1997年3月に大学を卒業すると東京で就職し、 10年程会社員生活を送っていました。 その頃、現在は神田にあるビアバー「蔵くら」( 2009年6月17日から神田へ)が、まだ世田谷区の下北沢にあった頃に、 蔵くらで飲んだベルギービールにハマってしまい、それからビアバーへちょくちょく通うようになりました。 とは言っても、その当時下北沢にあったビアバーと言えば、「蔵くら」と「うしとら」くらいしかありませんでしたが。 その後、リーマンショックで勤務していた会社にも影響があり、転職を余儀なくされ、 これを機にビール造りを始めようと考えました。

そこで、ブルワーの求人を探し始めるのですが、なかなかブルワーの求人がなくて仕事が決まりませんでした。 やっとのことで見つけたのが栃木県にあるサッポロビールの那須工場の求人でした。 この那須工場は、元々銀河高原ビールの那須工場だったところで、銀河高原ビールが 2005年12月に撤退し、 その後サッポロビールが取得してリニューアル後の2008年4月から「那須 森のビール園」として営業しているところです。 須藤さんは、2008年10月に那須工場へ入社すると、 いわゆるBoP(※1)をやっている「手づくりビール工房」に配属されました。 その職場では、ビールづくり体験に来た客へ作業の説明をしたり、 お客さんの作業の指導や支援を行うといった顧客対応の仕事に就くことになりました。 そうして、ビールの製造工程を丁寧に説明することで自分自身にも勉強となり、 実務面でもビールづくりの指導をする立場として実際に醸造設備を使いこなせるようになりました。 その上、工場としては珍しい顧客対応という業務だったことも貴重な体験として、後に役立つことになります。 須藤さんにとっては良い経験ができた願ってもない職場環境だったわけです。
※1:BOP(Brewing On Premise)とは、酒造免許を持つ醸造所で設備を借りて、 専門の醸造士の指導の下で手づくりビールを醸造することのできるシステムで、 酒造免許を持たない一般人がホームブリューイング体験をすることのできるシステムのことです。

そして、2010年3月にサッポロビール那須工場を退職すると、 次は日光市内にあった「日光ビール」へ同年6月に入社、11月までの半年間在籍しました。 その後、しばらくはビールから離れていましたが、 2012年10月には、栃木県上三川町にある「プレストンエール」でお馴染みホンダ産業へ入社します。 そこでは、醸造経験豊富なベテラン醸造家の菊地 明さんと出逢うこととなり、 それから 2016年2月15日までの3年間半をホンダ産業で過ごします。 ※※この頃の写真がJapan Beer Times(ジャパンビアタイムス)の記事に掲載されています。
そして、同年4月から10月までの約半年間は、 栃木県宇都宮市にある「宇都宮ブルワリー」の直営店「Blue Magic」(ブルーマジック)で接客を担当することになるのですが、 ここで転機が訪れます。
Blue Magicへ毎週のように通って来るお客さんが、日光市内に空き店舗を所有しているということから話が進み、 その空き店舗を借りてビール屋を始めたらどうかという話になりました。 実は、その客が現在のMurmur biiru standの物件の大家さんだったのです。 その物件は以前、飲食店や、高級茶道具とオーダーメイドの耳掻きを手づくりする専門店があったところでした。

日光は、日光東照宮や二荒山神社をはじめ、華厳の滝、いろは坂、中禅寺湖、戦場ヶ原など観光スポットが数多く、 往年は国内有数の観光地として観光シーズンには多くの観光客が押し寄せたものでしたが、 時代と共に観光ニーズの変化から客足が衰え始め、 2000年代に入ると老舗旅館の相次ぐ廃業といった現実を迎えるようになります。 一方、史跡や自然が多いことなどからインバウンドの支持を集めるようになり、 昨今では観光客の8割が外国人になったとも言われています。 また、日本人客は、観光地まで観光バスや路線バス、タクシーを使うことが多いのに対して、 外国人の多くは最寄り駅から徒歩で行動する人が多いことから、 メインストリートの沿道には外国人の姿が目立つようになりました。 そこで、クラフトビールの普及率があまり高くない栃木県に於いて、 クラフトビールに慣れ親しんだ外国人が集まる場所へと変貌を遂げている日光のメインストリートで、 須藤さんはクラフトビールの製造・販売に挑戦してみようと考えました。

こうして、日光の地で自分自身のブルーパブを開業することを決心した須藤さんは、開業に向けて準備を開始し、 2017年5月26日に「マァマー株式会社」を設立します。 同年8月より建物の改修工事を開始し、2018年2月24日には醸造設備を搬入しました。 仕込み設備には、コトブキテクレックスが販売する中国製のプラントを採用。 また、発酵&貯酒タンクには、 カナダにあるSPECIFIC MECHANICAL SYSTEMS(スペシフィック)社のカナダ製プラントを採用し、 900リットルの発酵&貯酒タンク×4基を導入しました。
2018年3月26日には酒類等製造免許(発泡酒)を取得。 同年6月5日に初仕込みを行い、同年6月29日には、遂にブルーパブ「Murmur biiru stand」をオープンすると同時に、 5種類を皮切りに自家醸造ビールの販売開始に漕ぎ着けました。

マァマーという名の由来については、 "Murmur"とは英語で「つぶやき」とか「ささやき」という意味なのですが、 「ま~ま~」というのは日本語的に語感が良く、喧嘩をしている人たちをなだめたり、 落ち込んでいる人を励ましたりする時に、よく「ま~ま~」と使われることから、 ビールを通して仲良くしてもらいたいとか、 いがみ合うのを止めてもらえるようにしたいという気持ちを込めてネーミングしました。
ただ、社名やビール名にこだわりをもったネーミングをしても、 多くの外国人客への説明が難しいところが、なんとも歯がゆいことになっています。 (当然ながら、須藤さんは英会話ができるのですが。)

マァマーの今後について須藤さんへお尋ねすると、 「日光を観光で訪れたお客様が、偶然立ち寄って飲んだビールの味に、 『あぁ、あの時飲んだビールの味が懐かしい。今度はあのビールを飲むために日光へ行こう』
なんて気持ちにさせる記憶に残るようなビールを造っていきたい。 いつ来ても同じ味わいを楽しめる定番ビールを、いつでも美味しい状態で提供できるようにして、お客様をお待ちしたい。
(商品構成について)いずれは、定番を2種類、季節限定を2種類、新作を1種類、 ゲストビールを1種類という比率で提供して行きたい。」と語っていました。

須藤さんのご厚意により、醸造所を見せて戴きましたので、ご紹介致します。


醸造設備


仕込み設備
左のタンクがろ過槽(ロイター)㊤兼、ワールプール㊦、
右のタンクが500リットルの糖化槽(マッシュタン)兼、煮沸槽(ケトル)


900リットルの発酵&貯酒タンク×4基のうちの2基


900リットルの発酵&貯酒タンク、もう一方の2基


オーナー兼醸造家の須藤 克支さん


ビアクルーズ管理人の一言:
2018年10月、栃木県日光市にある「Murmur biiru stand」を訪れて、自家醸造ビールを飲みました。
マァマーの須藤さんには、お心遣いを戴き感謝しています。



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