グットウルフ麦酒


ブルーパブ名: グットウルフ麦酒 タップルーム
電話番号: 0746-48-8154
住所: 奈良県吉野郡東吉野村大字大豆生145
定休日: 平日休 (土日のみ営業)
営業時間: 土曜日: 13:00~20:00
日曜日: 13:00~19:00
ビールの種類: 良狼[りょうろう] (ペールエール)
ゆずビー (ベルジャンホワイト)
黒ウルフ (ほうじ茶スタウト)
醸造開始: 2020年8月6日
アクセス: 近畿日本鉄道 大阪線/榛原駅から東吉野村役場行き奈良交通バスで43分、東吉野村役場からコミュニティバス(要予約)で27分、「大豆生大橋」バス停から徒歩1分
URL: https://www.thegoodwolf-brewery.com/
Facebook: グットウルフ麦酒 東吉野村

製造元: 合同会社深山東吉野醸造所
電話番号: 0746-48-8154
住所: 奈良県吉野郡東吉野村大字大豆生145番地

グットウルフ麦酒(ぐっとうるふばくしゅ)は、奈良県東吉野村へ2020年に誕生したクラフトビールです。
グットウルフ麦酒の故郷である東吉野村(ひがしよしのむら)は、奈良県の東部に位置し、 周囲を山に囲まれた川沿いの谷間に集落が点在する人口1,500人足らずの村です。 明治時代には日本最後のニホンオオカミが捕獲されたところで、 捕獲されたニホンオオカミは英国ロンドンの大英博物館で標本として展示されています。
そんな東吉野村の大豆生(まめお)にグットウルフ麦酒の醸造所はあります。 ここでは築100年を超える古民家をリノベーションして醸造所やタップルームとして利用しており、 その古民家の玄関から足を踏み入れると、広い土間が迎えてくれます。 土間の真ん中にはかつて使われていたかまどが残されていて、その奥は土間の一部を改装した醸造所になっています。 タップルームとして使われている座敷は3室あり、そこではのんびりとグットウルフ麦酒を味わうことができます。


グットウルフ麦酒の醸造所がある古民家





グットウルフ麦酒の醸造所とタップルームのある母屋


母屋の奥にある蔵


母屋の玄関


玄関を入ると広い土間になっていて、手前にビールの販売コーナーがあり、奥が醸造所になっています


オリジナルグラウラーと東吉野村の風景のポストカード
背景にあるのが土間のかまど


土間からはガラス越しに醸造設備を眺められます


タップルームとして利用しているお座敷席


奥の間


さらに奥の間

グットウルフ麦酒では、 原材料にイギリス産、カナダ産、ドイツ産の麦芽とイギリス産、チェコ産、アメリカ産、ニュージーランド産のホップを使用し、 台高山脈(だいこうさんみゃく)を源とする裏山の伏流水を仕込み水として使用して醸造しています。

良狼

ゆずビー

黒ウルフ


グットウルフ麦酒を製造する合同会社深山東吉野醸造所の代表 石井 啓順(いしいひろゆき)さんは、岡山県倉敷市の出身で、 趣味のトレイルランニングが高じて自然豊かな山々に囲まれた東吉野村へ移住しビール造りを始めた醸造家です。
石井さんは、東吉野村に移り住む前までは大阪市内のランニング・ウォーキング用品の専門店に勤務していました。 山野を走るトレイルランニングを趣味にしていた石井さんは、 客としてその店をしばしば訪れているうちに店長から誘われて、その店で働くことになりました。

また、妻の朋子(ともこ)さんと出逢ったのもその頃でした。 北海道函館市出身の朋子さんが、勤め先の関係から大阪で暮らしていた時に知り合い、 トレイルランニングという共通の趣味で気が合った二人は2014年12月に結婚しました。 その後も二人で全国の山々を訪ねては、自然を満喫しながらランニングを楽しんでいました。 そうした中、2016年3月に東吉野村を訪れて、明神平(標高1,323m)に登り、近くにあった「ふるさと村」に立ち寄ると、 風呂でのんびりしたり食堂「いちえ」で美味しいカレーに舌鼓を打ったりと、 心癒される落ち着いた時間を過ごすことができました。 そして、美しい山里の風景や山奥の集落の秘境感などが石井さんの心に残り、 やがて東吉野村への移住を考えはじめるようになりました。

石井さんがビール造りに興味を持つようになったのは、アメリカへ出張した時の出来事がきっかけでした。 2017年7月に、カリフォルニア州のベンチュラという都市を訪れた際に、 たまたま入ったバーで初めてクラフトビールを口にしました。 こんなビールが世の中にはあるのかと感動した石井さんは、それから日増しにクラフトビールの世界に魅かれて行き、 自分もクラフトビールを造ってみたいと思うようになりました。 アメリカ出張から1ヶ月が経ち、東吉野村への想いやビール造りへの期待から、 いろいろ考えた末に石井さんは東吉野村への移住を決意します。 そして、その年の10月にはそれまで勤務していたランニング・ウォーキング用品の店を退職し、移住の準備を開始しました。

まずはビール造りの足掛かりを得るため、石井さんは同年12月に小豆島を訪れ、 まめまめびーる(香川県小豆島町)の中田 雅也さんのもとを訪ねてビール造りに関する話を聴くことができました。 そして、中田さんから吉備土手下麦酒醸造所(岡山県岡山市北区)の永原 敬さんを紹介してもらい、 2018年3月から泊まり込みで同醸造所へビール造りの研修を受けに行きました。 またその後も、まめまめびーるやブルーウッドブリュワリー(和歌山県有田川町)などを訪ねて、 ビール造りの体験を重ねていきました。

一方、東吉野村では、人口減少や高齢化と言った地方が抱える課題をご多分に漏れず抱えていました。 そうした地域の活性化に向けた取り組みとして、 都市部に住む様々な業種の人々を村へ誘致し定住・定着を図ることを目的に、 村のPR活動を担ったり、移住者のチャレンジを支援する「地域おこし協力隊」という活動が東吉野村でも行われていました。 石井さんは、その活動への参加を希望し東吉野村と調整を進めてきた結果、 3年契約(2018/4~2021/3)で「地域おこし協力隊」の一員になることが決まり、 また東吉野村で生活するための住宅も見付かったため、2018年4月に大阪から東吉野村へ移住することにしました。

東吉野村での生活がスタートすると、平日は「地域おこし協力隊」として働き、 そのかたわらでビール造りの準備も着々と進めて行きました。 しかし、山里に暮らす東吉野村の住人の間では、当然のことながらクラフトビールには馴染みがありませんでした。 そこで、石井さんは同年7月から3ヶ月の間、 飲食物を提供できるチャレンジショップ「かめや KAMEYA」という東吉野村起業家支援施設を借りて、 国産のクラフトビールを試しに提供してみたところ、村民の反応は上々で確かな手ごたえを感じました。 それまではアサヒスーパードライばかり飲んでいた人たちが、 クラフトビールを積極的に注文してくるようになりました。

また石井さんは、醸造所の開設に向けて村内で物件を探しはじめたところ、 2019年1月に村内の知人から、築100年以上という木造平屋建ての古民家を所有する大家を紹介されました。 そして、石井さんはその古民家を借りることになり、同年4月には契約を済ませて、改装工事に着手しました。 古民家母屋の広い土間の一部分を醸造所として壁で仕切り、中へは中国製の醸造設備を導入しました。 1バッチ(1ロットの生産量)が200リットルです。

そして、2020年6月24日に酒類等製造免許(発泡酒)を取得、同年7月12日には初仕込みに臨み、ビールが完成。 村民を対象としたお披露目会を同年8月1日~2日に開催し、同年8月13日よりグットウルフ麦酒の一般販売を開始しました。 その後、同年9月19日には瓶ビールの販売も開始しました。
グットウルフ麦酒という名の由来は、 この村で最後に確認されたとされるニホンオオカミにあやかってネーミングしました。

石井さんへ今後のグットウルフ麦酒についてお尋ねすると、「今の土日週2日だけの営業を、 (2021年3月に、地域おこし協力隊の任期が満了したら)平日も含めて週4日営業としたい。 吉野は、いろいろなことにチャレンジしている方々が多いところなので、自分たちも一緒にチャレンジしていきたい。 ビールの販売については、基本的に吉野を中心に販売していきたいし、 昔からここで商売している人たちとも一緒にやっていきたい。」と語っていました。

石井さんのご厚意で醸造設備を見せてもらいましたのでご紹介します。


仕込み設備
右側が糖化釜(マッシュタン)
左側が煮沸釜(ケトル)兼、ロイター兼、ワールプール


400リットルのダブルバッチ用発酵&貯酒タンクが2基


200リットルの発酵&貯酒タンクが2基


プレハブ冷蔵庫


冷蔵庫の中には、出荷を待つケガが積み上げられています


麦芽の粉砕機(ミル)


石井 啓順さんと朋子さん


ビアクルーズ管理人の一言:
2020年10月、奈良県東吉野村にある「グットウルフ麦酒」を訪れて、瓶ビールを購入し、自宅で飲みました。



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