Camado Brewery


ブルーパブ名: カマドビアバー ハコフネ
電話番号: 0572-51-2620
住所: 岐阜県瑞浪市釜戸町3154-3
定休日: 月~木休
営業時間: 金曜日: 17:00~21:00
土曜日: 11:00~21:00
日曜日: 11:00~18:00
ビールの種類: Yatto Came Ale[やっとかめエール] (ペールエール)
Fond de White[ほんでホワイト] (ベルジャンホワイト)
Kan&Co.IPA[かんこうIPA] (イングリッシュ インディア ペールエール)
Anky Lager[あんきーラガー] (ラガー)
Kasagi Yuzz Haze[笠置ゆずヘイズ] (ヘイジー インディア ペールエール)[冬季限定]
CaMadness Stout (インペリアルスタウト)[冬季限定]
Rauch auf dem Feld[ラオホ アウフ デム フェルト] (スモークエール)[春季限定]
C-001 (ブリュット インディア ペールエール)[春季限定]
着火の儀 (ウエストコースト インディア ペールエール)
St.Orange Fog (ヘイジー インディア ペールエール)
醸造開始: 2020年12月15日
アクセス: JR中央本線/釜戸駅から徒歩3分
URL: https://camado.jp/
Facebook: Camado Brewery/カマドブリュワリー
Online Shop: https://camado.stores.jp/

製造元: 株式会社東美濃ビアワークス
電話番号: 0572-51-2620
住所: 岐阜県瑞浪市釜戸町3154番地の3

Camado Brewery(カマドブリュワリー)は、岐阜県瑞浪市へ2020年に誕生したマイクロブルワリーです。
Camado Breweryのある瑞浪市(みずなみし)は、岐阜県の南東部に位置し、 中山道の宿場町や美濃焼の窯元、太古の化石などで知られる山間部の都市です。 この辺は東濃(とうのう)や東美濃(ひがしみの)と呼ばれる地域で、 古くから中山道が通ることから人の往来も多かったところで、 現在でも国道19号線や中央自動車道、JR中央本線など主要な交通網が市内を貫いています。 市内には史跡や名所、歴史・文化を伝える施設なども多く、自然に囲まれた原風景に心癒されながら散策してみると、 ゆっくりとした時の流れを満喫できることと思います。 そうした瑞浪市内のJR釜戸駅から歩いて3分ほどの土岐川のほとりにCamado Breweryはあります。


Camado Brewery




Camado Breweryでは、原材料にイギリス産、ドイツ産、カナダ産の麦芽と、 アメリカ産、チェコ産、オーストラリア産、スロベニア産、イギリス産、ドイツ産のホップを使用し、 地元 釜戸町の水を仕込み水として使用して醸造しています。
定番は、Yatto Came Ale、Fond de White、Kan&Co.IPA、Anky Lagerの4種類で、 いずれも東濃地域の方言を引用したネーミングになっています。

Yatto Came Ale[やっとかめエール] -At last he came back to our home-
「八十日目」(やっとかめ)とは、「久しぶり!」という意味。 かつて東美濃の地で美酒を醸した醸造家が10年振りに帰ってきた! 久しぶりの再会を祝して乾杯するにはやっぱり特別なビールが必要だ。 積もる話に花を咲かせ、笑顔を交わす席を彩る新しいビール。 そんな思いを込めて醸したスッキリ系のペールエールです。

Fond de White[ほんでホワイト] -My mother never learn at a time-
「ほんで」とは、「それで?」という意味。副題の「My mother never learn at a time」は、 次のような会話をイメージさせてくれます。
母 「あんた、こないだ姉ちゃんが都会で流行っとるって言っとったやつ、何やった?」
息子「ベルジャンホワイト」
母 「なんて?」
息子「ベルジャン・・・」
母 「ベルジャン・・・ほんで?
息子「ホワイト。ベルジャンホワイト!」
また、"Fond de"は、フランス語で"de"以下に続く言葉の「出し汁」という意味。「フォンドボー」が馴染み深いですね。 Fond de Whiteを直訳すると「白出汁」となり、「ベルジャンホワイト」につながっていきます。

Kan&Co.IPA[かんこうIPA] -Father talks to you-
「勘考」(かんこう)は、「よく考える」、「工夫すること」という意味です。 また、副題の「Father talks to you」は、 Sly & the Family Stone(米国のロックバンド)の名盤「暴動」に収録されている「Africa talks to you」からの引用だそうです。

Anky Lager[あんきーラガー] -Don't I worry be ANKY-
「安気」(あんき)とは、「安心」や「気楽なさま」という意味。 どんなに会えない期間が長くても、ひとたび杯を交わせば、不思議とあの頃の関係性・空気に戻っている。 そんな気の置けない仲間と、いつまでも飲んでいられるようなビールを・・・というコンセプトでつくられたラガーです。

Yatto Came Ale

Fond de White

Kan&Co.IPA

Kasagi
Yuzz Haze

Rauch auf
dem Feld


Camado Brewery(カマドブリュワリー)を運営する株式会社東美濃ビアワークスは、 ビールの製造・販売を中心に、地域資源を活用したビール関連事業の推進を目指して設立された会社です。 その中心となるCamado Breweryは、 東美濃をこよなく愛する3人が発起人となり、ビール造りを通して地元を元気にしたいという志を胸に、 立ち上げたマイクロブルワリーです。そのメンバーは、 「えりちゃん」こと東 恵理子さん、「おかちゃん」こと岡部 青洋さん、「トシ」こと丹羽 智さんの3名です。

株式会社東美濃ビアワークスの代表取締役 東 恵理子(あずまえりこ)さんは、地元 瑞浪市釜戸町の出身で、 生まれ育った故郷への想いから地元へUターンして、 ビール造りを通して地域活性化に貢献したいという志しを持った起業家です。
東さんは、高校卒業後、釜戸町を後に北海道の大学へ進学。 大学を卒業すると北海道テレビに入社。報道部に配属され、2年半ほど報道記者やディレクターの仕事に就きました。 その後、2014年1月からは青年海外協力隊の隊員としてバングラディシュへ派遣され、 2年間ほど現地でコミュニティづくりに携わりました。 そこでは、コミュニティーラジオ局でベンガル語のラジオ番組制作を支援する仕事をしていました。 2016年1月に帰国すると東京での生活をスタート。 2017年1月からは、3年ほど街づくりの仕事に携わりました。 広告代理店に出向し地方創生プロデュース事業に参画し、 茨城県かすみがうら市や、長野県、高知県などの地域活性化の支援を行っていました。

東さんがビール造りを始めたいと思い立った経緯は、元々ビールを飲むのが好きだったこともありますが、 モノづくりを通して地元の地域活性化につなげられないかという思いが芽生えたことが出発点でした。 地方創生事業の仕事の傍ら、 ビールへの興味からビアジャーナリスト講座(ビアジャーナリスト協会)を受講していましたが、 いろいろ学んでいくうちに、物書きよりもモノづくりの方が良いのではないかと考えるようになりました。 一方将来を見据えると、持続可能な仕事に就きたかったということもあり、 クラフトビールづくりに夢を膨らませるようになっていきました。

ビール造りを目指したいという思い。 これまで携わってきた街おこしの仕事での経験を活かして地域活性化の起爆剤にできないかという思い。 学生時代までは何もないと思って地元を離れたが、 一旦離れたことで自分が生まれ育った故郷の唯一性を再発見できたこと。 こうした思いがひとつになって、生まれ故郷でクラフトビールづくりを始め、 そこに関連するビジネスを立ち上げていくという構想を思い描きながら、東さんは2020年4月に釜戸町へ戻って来ました。

株式会社東美濃ビアワークスの取締役 岡部 青洋(おかべあおひろ)さんは、静岡県浜松市の出身で、 以前は街づくりに携わる会社に勤務していたという個性派の起業家です。
岡部さんは、静岡の大学を卒業後、 進学予備校で進学コンサルタントとして勤務していました。 その後、2016年に岐阜県多治見市の多治見まちづくり株式会社へ転職し、多治見市へ移住しました。 そこでは、駅前広場(指定管理施設)の管理運営や、地場産業である陶器メーカーとのコラボレーションイベントの企画、 空き店舗のリノベーション、情報誌の編集など街づくり全般の仕事に従事してきました。 そして、2020年7月31日に同社を退職し、 同年8月から株式会社東美濃ビアワークスの立ち上げメンバーの一人として活動してきました。

株式会社東美濃ビアワークスの醸造長 丹羽 智(にわとし)さんは、岐阜県中津川市の出身で、 岐阜県、岩手県、山梨県、静岡県でブルワリーの立ち上げやブリューマスターを務め、 ブルワーの育成にも貢献してきた、長年ビール造りに携わってきたベテラン醸造家です。 丹羽さんがビール造りを始めたきっかけは、以前勤務していた石材メーカーでのことでした。 地元 中津川市内で石材業を営む「株式会社岩本」へ1989年に入社し、 当初は石材の加工や輸入を担当していました。 その石材メーカーが経営していた石のテーマパーク「博石館」(はくせきかん)で、 地ビール造りを始めるという計画が突如持ち上がり、丹羽さんが担当することになりました。 そこで、ビール造りが初めてだった丹羽さんは、 1996年に三重県の「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」にあるモクモクブルワリーで、 3ヶ月間泊まり込みで研修を受けてきて、 1997年4月から博石館ブルワリーで「博石館ビール」の製造を開始することになりました。 そして、13年間博石館ブルワリーに従事した後、2009年10月に退職。 翌11月からは、岩手県一関市の「いわて蔵ビール」でお馴染み世嬉の一酒造株式会社へ転職。 世嬉の一酒造には2年弱勤務して、2011年9月に退職。

その後、2011年10月には山梨県甲府市へ移り、 今度はOutsider Brewing(アウトサイダーブルーイング)の醸造準備から参画することになりました。 そして、2012年2月25日に併設ブルーパブ「Hops and Herbs」(ホップス アンド ハーブス)がオープンするのに合わせて、 アウトサイダーブルーイングで造るビールの販売を開始。 ここでは、ビール造りのかたわら、研修生を受け入れて新進ブルワーの育成にも力を注いでおり、 ここから巣立って行ったブルワーは20名以上にものぼりました。 そのアウトサイダーブルーイングで6年半勤務した後、2018年12月末に退職。

2019年1月には、静岡県静岡市駿河区にあるWEST COAST BREWINGへ入社。ここでも、ブルワリーの立ち上げから参画し、 後にフランス人ブルワーとアメリカ人ブルワーとの3名でビール造りを進めてきました。 そうして、一通り醸造体制が整ったところを見計らい、2020年5月31日にWEST COAST BREWINGを退職。 還暦を過ぎ、いずれ故郷である東美濃へ戻ることを考えていた丹羽さんは、 東美濃へ新たなプルワリーを立ち上げるため、2020年7月1日に株式会社東美濃ビアワークスへ入社することにしました。

ここからは、これら3名が知り合った経緯について触れておきましょう。
それは、2018年のゴールデンウイークにさかのぼりますが、当時東京に住んでいた東さんが帰郷の折、 瑞浪周辺の陶芸家たちとの飲み会の席が催され、そこで東さんと岡部さんが初顔合わせとなります。 その席でクラフトビールのことが話題となり、 当時クラフトビールにはまっていた東さんと、以前からビールフリークだった岡部さんが、 「何かこの地域でビールを絡めてイベントができないか?」と話していたのが事の始まり。 同年6月には早速、賛同して集まった友人たちと、 自分たちで厳選したビールと地元のソウルフードとのペアリングを楽しむ「ビールの会」を開催してみました。 すると、初めてクラフトビールを手にした人たちにも大好評で、 岡部さんたちは「ビールの会」の開催に手応えを感じていました。 また、その席で東農出身の醸造家である丹羽さんのことが話題に上り、 翌7月にはアウトサイダーブルーイングまで会いに出掛けて行きました。 丹羽さんからは「最後は地元でやりたいと思っている」という言葉をもらうことができました。

岡部さんたちは、それから隔月でビールの会を開催するようになり、次第に規模も拡大していき、 丹羽さんも甲府から遥々駆け付けるようになりました。 やがて、この地域でクラフトビールを盛り上げて行こうという機運が高まり、醸造所を立ち上げる話も出てきました。 そして、2019年秋頃から醸造所の候補地探しが始まり、 物件探しは難航したものの年が明けると旧JAとうと釜戸支店があった跡地に決まりました。 2020年4月23日に、株式会社東美濃ビアワークスを設立。 同年6月12日には地鎮祭を執り行いブルワリー建設が始まりました。 その後、丹羽さん、岡部さんも株式会社東美濃ビアワークスへ正式に入社し、 夏の暑いさなか、ひたすらDIYでブルワリーづくりに取り組む日々が続きました。 同年8月27日には醸造タンクも搬入されて、ブルワリーも形になって行きました。 2020年11月11日に、酒類等製造免許(発泡酒)を取得。翌12日には早速初仕込みに臨み、 1stバッチの「Yatto Came Ale」が完成すると、同年12月15日にお披露目を行ない、販売開始に漕ぎ付けました。

Camado Breweryのロゴマークである「カマドン(仮)」について。 東さんは、ロゴマークを考案しようとネットを検索。 すると、日本国内にあるブルワリーのロゴの多くは、ホップや麦、ビールを使ったデザインが多く、 みんなと同じホップや麦、ビールを使ったら、「埋もれてしまうよなぁ~」と考えました。 そこで、自分の身の周りに目を向けてみると、古くから美濃焼の産地として、昔から続く窯元がありました。 また、東農は農業も盛んな地域であり、そのコメを炊いて食を支える道具も竈(カマド)でした。 こうした地元と縁の深い「カマド」、そして地名でもある「釜戸」とも通じる「カマド」を起用することで、地域を支え、 新たなものを生み出すシンボルにして行こうという思いを込めてデザインした「カマドン(仮)」が誕生しました。

東さんに今後のCamado Breweryについて伺うと、 「もちろんビール製造を中心で進めていくが、器(うつわ)とビールとのコラボレーションも考えている。 瑞浪市内には(窯業の)窯元がいくつもあることから、 美濃焼でグラスづくりとのコラボレーションイベントも企画を進めているところ。 こうした「体験」(イベント)も合わせてビジネスにつなげていきたい。 そのために、現在は美濃焼の作家たちとコラボレーション企画について調整していたり、 瑞浪市窯業技術研究所ともグラスの研究を進めているところ。」と語ってくれました。
また、丹羽さんにCamado Breweryへの参画の動機について尋ねると、 「もう、いい齢(とし)なので、地元へ戻ってきた」とにこやかに答えてくれました。 また、今後のビール造りについて伺うと、「オールラウンドでビールを造って行きたい。 いろんな種類、様々なスタイルのビールを醸していきたい。」と語っていました。

ビールの販売開始から1年が経った2021年12月17日には、ブルーパブ「カマドビアバー ハコフネ」をオープン。

東さんのご厚意により、醸造設備を見せてもらいましたので、ご紹介します。


醸造設備(中国製)


仕込み設備 (1バッチは、500リットル)
左奥が糖化槽(マッシュタン)兼ろ過槽(ロイター)、 右手前が煮沸槽(ケトル)兼ワールプール


左側が貯湯タンク(ホットリカー)、 右側が冷水タンク(グリコールタンク)


左奥の4基が500リットルの発酵タンク、 右手前の3基が500リットルの貯酒タンク


左奥の500リットルの発酵タンク × 4基


右手前の500リットルの貯酒タンク × 3基


ケグの洗浄機


東 恵理子さん


丹羽 智さん


Camado Breweryのこれまでのあゆみは、以下の通りです。
2020年4月23日株式会社東美濃ビアワークスを設立
2020年11月11日酒類等製造免許(発泡酒)を取得
2020年11月12日初仕込み
2020年12月15日自家醸造ビールを販売開始
2021年12月17日ブルーパブ「カマドビアバー ハコフネ」をオープン


ビアクルーズ管理人の一言:
2021年3月、岐阜県瑞浪市にある「Camado Brewery」を訪れて、「Yatto Came Ale」はじめ5種類のビールを購入して、 自宅で飲みました。



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