長龍酒造


ブルーパブ名: [パブなし] ※長龍ブリューパークを建設中
ビールの種類: ペールエール (ペールエール)
セゾン「白麹」[しろこーじ] (セゾン)
セゾン「杉樽」 (セゾン)
フルーツサワー「古都華」[ことか] (フルーツエール)
ドライホップドサワー (サワーエール)
ホッピーヴァイツェン (ヴァイツェン)
West Coast IPA (ウエストコーストスタイル インディア ペールエール)
Rice Lager (ライスラガー)
Hazy IPA (ヘイジー インディア ペールエール)
Cold IPA (インディア ペールエール)
ICHIBAAAN いちばーん (麹ゴーゼ)
醸造開始: 2021年3月24日
URL: http://www.choryo.jp/
instagram: choryo_craftbeer
Online Shop: http://www.choryo.jp/online/

製造元: 長龍酒造株式会社
電話番号: 0745-56-2026
住所: 奈良県北葛城郡広陵町大字南4

長龍酒造(ちょうりょうしゅぞう)は、1923年(大正12年)創業の奈良県広陵町に本社を置く酒造メーカーで、 清酒「長龍」の蔵元です。
長龍酒造のある広陵町(こうりょうちょう)は、奈良県の北西部に位置し、 竹取物語ゆかりの讃岐神社や、巣山古墳・新木山古墳などの古墳群があることで知られている町です。 町内には南北に高田川・葛城川が縦断しており、西側の丘陵地には宅地が広がる県下の町としては最も人口の多い町です。 そうした広陵町で、100年近い歴史を持つ長龍酒造が、2021年よりクラフトビールの製造・販売を開始しました。


長龍酒造





長龍酒造 酒道場 広陵蔵


広陵蔵のエントランス


長龍酒造では、 原材料にドイツ産、カナダ産、イギリス産、フィンランド産の麦芽とアメリカ産、オーストラリア産、スロベニア産、ドイツ産のホップを使用し、 敷地内の井戸から汲み上がる日本酒造りにも使用している伏流水を仕込み水として使用して醸造しています。

NE IPA

West Coast IPA

ピルスナー

ペールエール

ヴァイツェン


長龍酒造株式会社は、日本酒をはじめ、焼酎、梅酒、古酒などを製造する酒造会社で、 2021年からは新たにクラフトビールの製造も開始しました。 同社の歴史をたどると、 1868年(明治元年)創業の飯田酒造場の創業家に生まれた飯田 弟一氏が、1923年(大正12年)6月に独立して、 八尾(現在の大阪府八尾市)に酒の小売店を開業したのが長龍酒造の起源とされています。 その頃は酒造は行っておらず、飯田酒造場で醸造する清酒「長龍」の販売から開始しました。 ところが太平洋戦争により酒類販売を一旦中断し、木工製品の製造・販売を手掛けることになります。 その後、1963年12月には、長龍酒造株式会社を設立。八尾工場を建設して「長龍」のびん詰加工を開始しました。

一方、広陵町へ1979年4月に広陵酒造株式会社を設立し、敷地内の広陵蔵で酒の醸造を開始。 1990年には、広陵蔵を建替えて現在の蔵となりました。 1993年10月には、広陵酒造株式会社を合併し長龍酒造株式会社とし、広陵蔵も長龍酒造広陵蔵となりました。 2008年に本社を奈良県広陵町へ移転し、現在に至ります。
また、飯田酒造場を起点に、長龍酒造株式会社や広陵酒造株式会社以外にも様々な法人を次々と設立し、 現在は「飯田グループ」を形成しています。

長龍酒造がクラフトビール事業に参入することになったきっかけは、社員からの提案でした。 同社には、社員が考案した新規事業を経営陣に提案する機会が設けられており、 そうした提案の場で社員から「クラフトビールへの参入」のプレゼンがあったのが始まりでした。 そして、2018年10月にクラフトビールチームを発足し、事業化の企画・検討を開始。 2019年8月には役員検討会にてクラフトビールの企画が承認され、2020年1月にクラフトビールの事業化が決定されます。

そこからビール醸造の準備が進められ、同年12月12日から醸造設備が搬入され、 2021年1月18日に酒類等製造免許(ビール、発泡酒)を取得。 また、100リットルの試験設備(Sabco Craft Equipment社製のBrew-Magic)を導入して、 同年2月1日に試験醸造を行ないました。 そうして、同年2月22日には量産設備(1,000リットル)で初仕込みに臨み、 第1弾のペールエールが完成すると、同年3月20日にオンラインお披露目会を開催し、 同年3月24日よりグループ会社の飲食店にて販売を開始しました。

長龍酒造でクラフトビールチームのリーダーを務める吉田 誠(よしだまこと)さんは、兵庫県宝塚市の出身。 2008年に大学を卒業して株式会社飯田(長龍酒造の関連会社)へ入社。 その後、2011年9月より卸営業を担当。 2016年3月にクラフトビールの卸チームへ異動となり、2020年3月には長龍酒造へ移籍して現職となります。

長龍酒造でヘッドブルワーを務める樋代 卓矢(ひだいたくや)さんは、 神奈川県横浜市旭区の出身で、以前にもクラフトビールの醸造に携わった経験を持つ醸造家です。 樋代さんは、高校時代から飲食業に就きたいという将来への希望を持っており、その頃からお酒にも興味を持っていました。 そんなこともあり、大学進学では醸造学を学ぼうと思い東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科に進みます。 その後、2015年5月にコエドブルワリーでお馴染み株式会社協同商事へ入社、醸造を担当することとなり、 そこで一からビール造りを学びました。

その後、3年が経過した2018年10月末に同社を退職。翌年の2月から1年ほどオーストラリアを旅して、 各地のブルワリーやワイナリーを周って交流を深めたり、3~4ヶ月ほどホップ栽培にも携わりました。 帰国後すぐに、2020年1月24日から3ヶ日間の日程で横浜の大さん橋で開催された「JAPAN BREWERS CUP 2020」 (ジャパンブルワーズカップ)の会場でボランティアとして活動した後、 その翌日(同年1月27日)に吉田さんから長龍酒造の説明を受け、入社を決めました。 同年8月末には奈良へ移住し、9月から醸造担当として長龍酒造に勤務しています。

吉田さんへ今後のクラフトビール事業についてお尋ねすると、 「クラフトビールを知らない人へ、もっと身近に感じてもらえるように、親しみやすいものにして行きたい。 地元の方々にクラフトビールをもっと理解して欲しいと思う。 ゆくゆくは、東京や大阪へも進出したいとは思っている。」と語っていました。

また、樋代さんへ今後の醸造についてお尋ねすると、「長龍酒造としては、地元の方々の協力なくしてはできない。 皆さんに愛してもらえる商品にして行きたい。ビール単独だけでなく、清酒、ワインなど他のお酒と組み合わせて、 広めて行きたい。地道に、いろいろ知ってもらいながら、(ビール造りを)進めて行きたい。」と語ってくれました。

長龍酒造では、2022年1月に広陵蔵の隣地へ直営の「長龍ブリューパーク」の開業を予定しています。 2021年7月5日に地鎮祭が行われ、その後着工しています。(2021年12月竣工予定)
また、同年7月19日には、長龍酒造のオンラインショップにて缶ビールの販売を開始。

吉田さんのご厚意により、醸造施設を見せて戴きましたので、ご紹介致します。


醸造設備


仕込み設備  【1パッチ(1ロットの生産量)が1,000リットル】
一番左がろ過槽(ロイター)、 その右側が糖化槽(マッシュタン)兼煮沸槽(ケトル)、
その右側が煮沸槽(ケトル)兼ワールプール、 一番右が貯湯タンク(ホットリカー)


左側が貯湯タンク(ホットリカー)、 右側が冷水タンク
右手前の3基の小振りなタンクは、100リットルの発酵&貯酒タンク


試験醸造用の仕込み設備  【1パッチ(1ロットの生産量)が100リットル】
左側が貯湯タンク(ホットリカー)、 中央が糖化釜(マッシュタン)兼ロイター、
右側が煮沸釜(ケトル)兼ワールプール


1,000リットルの発酵タンクが8基


1,000リットル発酵タンク8基のうちの4基


1,000リットル発酵タンク8基のうちの残りの4基


左側が2,000リットルの熟成タンク(ダブルバッチ用BBT)、
右側が1,000リットルの熟成タンク(BBT)


プレハブ冷蔵庫


冷蔵庫の中には熟成中のケグが積まれています


ケグの洗浄機


左側には原材料の麦芽、 右側は麦芽の粉砕機


麦芽の粉砕機(ミル)


麦芽粕の圧縮機(プロトタイプ品)


吉田 誠さん


樋代 卓矢さん


長龍酒造のこれまでの経緯は、以下の通りです。
1923年(大正12年)八尾にて酒販業を創業
1963年12月長龍酒造株式会社を設立
1979年4月広陵蔵で酒造開始
2008年本社を奈良県広陵町へ移転
2021年1月18日酒類等製造免許(ビール、発泡酒)を取得
2021年3月20日長龍オンラインお披露目会を開催
2021年3月24日自家醸造ビールを販売開始


ビアクルーズ管理人の一言:
2021年5月、奈良県広陵町にある長龍酒造を訪れました。
2021年8月、長龍酒造のオンラインショップで3種類の缶ビールを購入して、自宅で飲みました。



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