士別サムライブルワリー |
ブルーパブ名: | [パブなし] | |
ビールの種類: | 煌[こう] (ゴールデンエール) 雅[みやび] (インディア ペールエール) 寵[ちょう] (ウィートエール) |
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醸造開始: | 2022年3月15日 | |
Facebook: | 士別サムライブルワリー | |
instagram: | 士別サムライブルワリー | |
製造元: | 株式会社志BETSホールディングス | |
電話番号: | 070-4113-6046 | |
住所: | 北海道士別市西三条十丁目220番地10 |
士別(しべつ)サムライブルワリーは、北海道の士別市へ2022年に誕生したマイクロブルワリーです。 士別サムライブルワリーのある士別市(しべつし)は、北海道の北部、上川地方北部に位置し、 夏と冬の気温差が非常に激しく、豪雪地帯としても知られるところです。 道内に同音読みの「標津町」があるため、ラジオとかでは「サムライ士別」と呼ばれることがあるそうです。 士別市は、農業が盛んなところで、士別駅周辺にはレンガ造りの農業倉庫が多数点在しています。 そんな農業倉庫の1つ、築93年の倉庫をリノベーションしてクラフトビール工房をスタートしたのが、 士別サムライブルワリーです。
士別サムライブルワリーでは、
原材料にイギリス産、ドイツ産の麦芽とアメリカ産、ニュージーランド産のホップを使用し、
天塩川源流の水を仕込み水として使用して醸造しています。
また、副原料に士別市多寄(たよろ)産のハト麦を使用しています。
将来的には、士別産のホップの使用も検討していますが、
現在は収穫量が少ないため、今後の収穫量に期待が掛かっています。
煌 |
雅 |
寵 |
士別サムライブルワリーを運営する株式会社志BETSホールディングス(しべつほーるでぃんぐす)の母体は、
地元 士別市内で建築・介護事業を手掛ける株式会社イトイグループホールディングスという会社です。
同社は、土木建築業として1948年に創業、
その後業容を拡大し現在は、土木事業・住宅事業・介護事業・地域再生エナジー事業など幅広く手掛け、
傘下に6社の子会社を擁しています。
そのイトイグループホールディングスの代表取締役 菅原 大介(すがわらだいすけ)さんは、北海道士別市の出身で、
株式会社志BETSホールディングスの代表取締役も兼務しています。
菅原さんが新規事業としてクラフトビール事業に乗り出したきっかけは、士別駅近くにある1軒の農業倉庫の存在でした。
以前からビール愛好家だった菅原さんは、「かつて農業倉庫として使われていた築93年の石蔵を観た瞬間、
ここで天塩川の源流水と地元の農産物を使ったクラフトビールを絶対に創りたい、
という強いインスピレーションが一瞬で湧きました。」と、クラウドファンディングサイトの中で説明しています。
そして、士別市内で特産品開発に取り組む地域事業会社として、2020年6月1日に株式会社志BETSホールディングスを設立しました。
そのユニークな社名は、『地域に活気を与え、利益を出して事業化し、地域に再投資する仕組みを構築する』
そうした志(こころざし)をBET(=賭ける)するという意味を込めて、志BETS(シベツ)としました。
志BETSホールディングスでは、クラフトビール醸造の他に、プロ野球球団「士別サムライブレイズ」の運営も手掛けています。
実は、プロジェクトとしては、球団設立の方が先で、醸造所の設立は同社にとっては2番目のプロジェクトでした。
士別サムライブレイズは、スポーツのチカラで地域を盛り上げる目的で2021年に結成し、
現在はプロ野球独立リーグ「北海道フロンティアリーグ」に所属しています。
今後は、この士別サムライブレイズと士別サムライブルワリーとのコラボレーションによって、
新たなシナジー効果が発揮されていくことを期待しています。
士別サムライブルワリーの発案者であり、
志BETSホールディングスの役員に名を連ねる川端 昌志(かわばたまさし)さんは、北海道士別市の出身で、
スープカレー店「Rojiura Curry SAMURAI」を展開している株式会社ソウルフラワーの経営者(代表取締役)です。
同社は、札幌市に本拠地を置き、札幌を中心に東京、神奈川、大阪、福岡などに20店舗以上を展開しています。
川端さんは、以前からブルワリー創設について、士別市多寄の農家と話を進めていましたが、
費用面で折り合いがつかず、一旦は話が流れていました。
その後、高校時代のバスケットボール部の後輩だったという菅原さんへ相談を持ち掛けたところ、
ブルワリー創設の方向で話がまとまったということのようです。
その川端さんが経営するRojiura Curry SAMURAIの各店舗でも、
今後、士別サムライブルワリーのビールを取り扱っていく予定です。
士別サムライブルワリーの立ち上げに際しては、ビール造りの技術的な支援を得るため、
コンサルタントとして株式会社Knot代表の植竹 大海さんにも参画してもらっていました。
植竹さんは、コエドブルワリー(埼玉県)を起点に、うしとらブルワリー(栃木県)、
忽布古丹醸造(北海道上富良野町)、Godspeed Brewery(カナダ・トロント)などを経験した後、
ビール醸造に関するコンサルタント会社「株式会社Knot」を設立。
現在は、Brasserie Knot(北海道鶴居村)の立ち上げの傍ら、コンサル事業を進めています。
植竹さんには、機材選定、醸造所の立ち上げ準備などの支援に携わってもらいました。
士別サムライブルワリーの醸造責任者を務める風間 健(かざまけん)さんは、北海道名寄市の出身で、
地元 名寄でビアバーを経営、士別では醸造長と二足の草鞋を履く醸造家です。
風間さんは、高校卒業後、パティシエを目指して大阪の製菓専門学校で学びます。
卒業後は札幌のパン屋を皮切りに、テーマパーク、居酒屋、カフェ、レストラン、
ホテルや旅館など様々なところで働きながら日本各地を周っていました。
また、2017年9月からは、自転車で日本一周の旅へ出発。10ヶ月程掛けて各地を周り、
冬季の12月~3月には熊本県の黒川温泉にある温泉旅館で住み込みで働きながら過ごしていました。
その風間さんがビール関係の仕事に就くことになった起点は、東京都内のブルーパブでのIPAとの出逢いでした。
風間さんは、2015年から2年ほど東京・神宮前にあった不動産会社が経営するカフェバーで働いていました。
勤め始めて1年が過ぎた頃(2016年12月)、業務の関係で阿佐谷ビール工房(東京都杉並区)を訪れる機会があり、
それまで大手メーカーのビールしか飲んだことのなかった風間さんは、店内で初めて飲んだIPAに衝撃を受けました。
それからクラフトビールに興味を持った風間さんは、
2017年1月に横浜大さん橋ホールで開催された「JAPAN BREWERS CUP 2017」を訪れて、
様々なクラフトビールと出逢い、その奥深さに惹かれ、それ以来、旅先ではブルワリーに立ち寄ったり、
ブルワリー目当てに旅先を決めるようになりました。
その後、2017年4月にカフェバーを退職して、翌月には東京から北海道の富良野へ住居を移していました。
そんなある日、帯広を訪れた時のこと。
市内に「旅のはじまりのビール」というオリジナルビールを出すホテルのカフェバーがありました。
風間さんは何気なく店内の様子を伺っていると、店を訪れた地元客と、
旅の途中である宿泊客がクラフトビールを通して交流していることに気づきました。そんな光景に心を惹かれ、
自分の地元でもこんな空間がつくれたら…と思うようになりました。
しかし、名寄ではクラフトビールの認知度がまだまだ低く、単独で商売するにはリスクがあり過ぎるし、
であれば飲食店と宿泊施設を兼ねてみてはと考えて、
クラフトビールとピザを提供するゲストハウスの開業を目指すことにしました。
2018年6月、自転車での日本一周を終えて故郷の名寄市へ戻り、飲食店やホテルでバイトを続け半年が経ちました。
なかなか良い物件が見当たらず、資金面も見通せない中、ゲストハウス開業の計画も見直し始めていた2019年1月のこと。
美味しいピザ店があると聴き、美深町内の「ビブリオテーク」という店を訪れた風間さんは、
店主から開業準備中のブルワリーで求人があることを教えてもらいます。
それが、美深町へ2018年11月に設立された美深白樺ブルワリーでした。
早速、株式会社美深白樺ブルワリー 代表取締役の高橋さんと会って話を聴き、
こんな身近に社員として醸造の仕事ができる場所があるとは…と驚くと共に迷うことなく、すぐに入社を決めました。
こうして、2019年4月より美深白樺ブルワリーで醸造や料理を手伝うことになります。
一方、独立への第一歩として、
名寄市内に自ら経営するビアバー「maltrip」(モルトリップ)を2019年12月24日にオープンしました。
店名は、ビールの原料である「MALT」(モルト)と旅行や陶酔を意味する「TRIP」(トリップ)を掛けた造語。
そこから、風間さんのビアバー経営と、美深白樺ブルワリー社員との二足の草鞋を履く生活がスタートします。
それから時計の針が少し進んだ2020年の秋、士別に新しくブルワリーを開業するという会社から、
委託醸造の話が舞い込んできました。
志BETSホールディングスの川端さんが美深白樺ブルワリーを訪れて、
士別サムライブルワリーで自家醸造を始める前にOEMで自社製品を準備したい旨を説明しましたが、
結果的には実現しませんでした。
一方その頃、風間さんは次のステップのことを考えていて、同年12月末で美深白樺ブルワリーを退職しました。
ただ、その後も業務委託契約で翌年4月頃までは、美深白樺ブルワリーの醸造を手伝っていました。
そして先程の川端さんとの縁がきっかけで、士別サムライブルワリーで、
ブルワーを探していることを聞いていた風間さんは、新たなブルワリーの立ち上げに惹かれるところもあって、
2021年春 士別サムライブルワリーで働くことを決めます。
それからは、川端さんが経営するスープカレー店で働きながら、
いずれビールを販売するであろう店舗の雰囲気を伺っていました。
そうして2021年8月1日には、正式に志BETSホールディングスへ入社することになります。
話を志BETSホールディングスに戻しますが、士別サムライブルワリーの立ち上げ準備は粛々と進められており、
農業倉庫の改装工事が始まり、2021年11月1日には醸造タンクを搬入。2021年12月22日に酒類等製造免許(発泡酒)を取得。
同年12月28日よりクラウドファンディングを開始し、当初目標200万円に対して、
翌2022年3月12日の終了までに500万円を超える多くの賛同を得ることができました。
そして、2022年1月7日には初仕込みに臨み、1stバッチのビールが完成すると、
同年3月15日よりクラウドファンディングへの返礼品の発送が始まりました。
また、続いて同年4月1日からは、一般向けにビールの販売を開始しました。
士別サムライブルワリーのこれまでの経緯は、以下の通りです。 | |
2020年6月1日 | 「株式会社志BETSホールディングス」を設立 |
2021年12月22日 | 酒類等製造免許(発泡酒)を取得 |
2022年1月7日 | 初仕込み |
2022年3月15日 | クラウドファンディングへの返礼発送を開始 |
2022年4月1日 | 一般向けにビールを販売開始 |
ビアクルーズ管理人の一言:
2022年4月、北海道士別市にある「道の駅 羊のまち 侍・しべつ」からクール便で3種類のビールを取り寄せて、
自宅で飲みました。