渥美半島醸造


ブルーパブ名: ATSUMI BREW PUB
電話番号: 0531-37-5530
住所: 愛知県田原市福江町堂前60 あつみの市レイ内
定休日: 無休
営業時間: 平 日: 15:00~21:00
土日祝: 12:00~22:00
ビールの種類: PAKI PAKI  (ホワイトエール)
HOKITIKA  (ヘイジー インディア ペールエール)
TAHI (ニュージーランド ピルスナー)
AWAMOKO (ブリュット インディア ペールエール)
TIKITIKI (ヘイジー インディア ペールエール)
営業開始: 2025年4月26日
アクセス: 豊橋鉄道 渥美線/三河田原駅から豊鉄バス 伊良湖岬行きにて約40分、「渥美ショップ前」バス停から徒歩すぐ
三河田原駅からタクシーで約40分
URL: https://atsumi-lei.com/brewing
instagram: あつみブリュー パブ ATSUMI BREW PUB

製造元: 株式会社渥美フーズ
電話番号: 0531-37-5530
住所: 愛知県田原市福江町堂前60番地
URL: https://atsumi-lei.com/
instagram: 渥美半島醸造 / クラフトビール
URL: https://www.foodoasis.jp/

渥美半島醸造(あつみはんとうじょうぞう、ATSUMI PENINSULA BREWING)は、 愛知県田原市へ2025年に誕生したマイクロブルワリーです。 渥美半島醸造のある田原市(たはらし)は、愛知県の南端部、東三河地方に属し、 渥美半島の中央部から先端部に位置する自然豊かな市です。 温暖な気候と長い日照時間に恵まれることから農業が盛んなところで、 メロン、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、電照菊、バラ、カーネーションなど野菜や果実、花の生産地として知られています。 また、先端の伊良湖岬は観光地として広く知られており、太平洋に面した海岸線は風光明媚な景色がつづきます。 ところどころに風力発電用の背の高い風車が並んで立っており、自然環境をうまく活かしていることが伺われます。 そうした田原市内の国道259号線沿いにある複合商業施設「あつみの市レイ」の一角に渥美半島醸造の醸造所と、 併設のタップルーム「ATSUMI BREW PUB」(アツミ ブルーパブ)があります。 ATSUMI BREW PUBでは、ピザやスナックメニューと合わせて、 出来立ての自家醸造ビールを味わうことができるほか、テイクアウト用の缶入りビールを購入することもできます。


あつみの市レイ


ATSUMI BREW PUB


店舗の左端に置かれたジャズバンドのフィギュアたち


ATSUMI BREW PUBの店内





店内からはガラス越しに醸造設備を眺められるカウンター席があります


デリバリーカウンターにもカウンター席があり、
カウンターの右手にはテイクアウト用の缶製品を販売しています


カウンター奥には、13本のタップ

渥美半島醸造では、 原材料にアメリカ産、ドイツ産、イギリス産および国産の麦芽とアメリカ産、ニュージーランド産のホップを使用し、 渥美半島の水を仕込み水として使用して醸造しています。 国産の麦芽は、田原市産の二条大麦を使用しています。

PAKI PAKI

HOKITIKA


ATSUMI BREW PUBのフードメニューは、 ミックスナッツやポテトチップス、チーズやチョコのアソートなどスナックメニューと、各種ピザから選べ、 出来立ての樽生ビールと合わせて味わえます。


ピザ マルゲリータ

渥美半島醸造の運営元である株式会社渥美フーズ(代表取締役 渡会 一仁さん)は、 スーパーマーケットや飲食店の経営、食料品の製造・卸、農業などを手掛ける愛知県田原市に本拠地を置く会社です。 1978年に1号店となる「スパー福江店」(当時の渥美郡渥美町、現在は田原市)の開業を皮切りに、 田原を中心に豊橋、豊川、浜松などにスーパーマーケット6店舗を展開。 そうした渥美フーズは、2025年にリニューアルオープンしたショッピングセンター内にて、 新規事業としてクラフトビール事業への参入を果たしました。
まずは、渥美半島醸造が入るショッピングセンターの背景からご紹介しましょう。

1971年8月に愛知県渥美町へ商業施設「ショッピングセンター レイ」がオープンしました。 「レイ」というネーミングは、 ハワイ観光の写真でよく見かける首や肩などにかける花の装飾品の愛称をLei(レイ)と言い、 そこから引用して命名したものでした。やがて、2005年10月1日には渥美町が田原市へ編入。 市内には大型スーパーやショッピングモール、大型ホームセンターなどが進出し、 その影響もあって次第に客足も落ち込んで行きました。 それに伴ってテナントが徐々に減っていき、建物も老朽化が進んだことから閉鎖が決まり、 開業から50年が経過した2022年3月30日にショッピングセンター レイは静かに幕を下ろしました。

ショッピングセンター レイの地権者であった「協同組合グランドショップアツミ」と渥美商工会、田原市によって、 福江市街地活性化委員会を発足し、土地活用や再整備について検討がなされました。 その結果、株式会社あつみ編集舎が土地建物を買収し、建物をリノベーションして、 スーパーマーケットをはじめ、ゲストハウス(宿泊施設)やブルワリーを擁する複合商業施設として再開発することとなりました。 あつみ編集舎の社長の渡会 一仁さんは、「50年後のあつみに"プレゼント"をするために」というスローガンを掲げ、 これまで50年間、地元の人たちの憩いの場を提供してきた施設が老朽化し世代交代の時が訪れたなら、 新たな施設としてよみがえらせた先には、また50年間新たな憩いの場として愛される施設にしたいという思いがありました。

こうして、2025年2月28日に複合商業施設「あつみの市レイ」としてリニューアルオープンし、 施設内には渥美フーズが運営するスーパーマーケット「フードオアシスあつみ 福江店」や「パン工房あつみ」、「あつみ食堂」、 タップルーム「ATSUMI BREW PUB」が同時オープンしました。

渥美フーズがクラフトビール事業に新規参入することとなった経緯は、 元々渥美半島をもっと盛り上げて行きたいという思いがあって、2020年頃よりそうした構想を温めていました。 そして、紆余曲折を経て、 複合商業施設「あつみの市レイ」に集められた食に関わる様々なコンテンツの中の1つとして、 ビールが加わることとなりました。 タップルームのオープン日と同じ2025年2月28日に、酒類等製造免許(ビール、発泡酒)を取得。 同年3月19日には初仕込みに臨み、1stバッチ「PAKI PAKI」と2ndバッチ「HOKITIKA」の2種類のビールが完成すると、 同年4月26日にATSUMI BREW PUBにてお披露目すると共に、渥美フーズ全店舗にて缶ビールの販売を開始しました。

渥美半島醸造の醸造長 川合 崇浩(かわいたかひろ)さんは、愛知県豊橋市の出身で、 オーストラリア滞在中に覚えたホームブリューイングがきっかけとなり、ビール造りの道に入ったという醸造家です。 川合さんは、豊橋市で生まれ育ち、高校卒業後は半導体機器や自動車部品などを製造する地元企業に就職しました。 仕事に就くと、毎日自宅から工場に出勤し、工場内では旋盤加工の仕事に携わり、 仕事が終わると家に帰宅するという単調な生活が続きました。 それらがあまりにもワンパターンに感じたことから、自分のこの先の人生が見えた気がしました。 そうした退屈な日常から飛び出したいと思うようになり、海外に目を向けていた川合さんは、 2012年に勤務先を退職し旅に出ました。

バックパッカーでアメリカ合衆国から南米、ヨーロッパ、東南アジアなど世界を一周し、 2014年2月にオーストラリアに辿り着きました。 オーストラリアに住みはじめると、試しにホームブリューイングに取り組んでみました。 すると、どんどんおもしろくなっていき、遂には本格的に醸造の道へ進むことを考えるようになっていきました。 そうして、3年10ヶ月の間滞在したオーストラリアを後にして、2017年12月に帰国し故郷である豊橋に戻りました。

それからは、しばらく国内のブルワリー巡りをして過ごしていました。 そんな中、徳島県を訪れた際に、上勝町にブルワリーがあると聴いて、 「KAMIKATZ BEER」でお馴染みのRISE & WIN Brewing Co.の醸造所を尋ねました。 そして、そこでブルワーとして働いていた引田 佑介(ひきたゆうすけ)さんと出逢います。 お互い海外旅行経験があることから話が盛り上がって意気投合しました。 そうした縁で、川合さんはRISE & WIN Brewing Co.で働くこととなり、 2018年4月1日に株式会社スペックに入社します。

RISE & WIN Brewing Co.では、コロナ渦を通して約5年間に亘り醸造を担当しました。 そして次のステップを考え始めていた川合さんは、 実家のある豊橋に隣接する田原市でブルワリー設立の準備が進められていることを知ります。 古いショッピングセンターをリノベーションし、 街の新たなランドマークとしてスーパーマーケットを中心に飲食店や醸造所の設置が計画されていました。 渥美フーズの社長である渡会さんの「渥美半島の50年後に向けたまちづくりを行う」と言う理念に共感を覚えたことから、 連絡を取って詳しい話を聴き、渡会さんからの誘いの言葉もあって、渥美フーズへの移籍を決めました。 こうして、2023年5月に株式会社スペックを退職し、徳島の山奥から実家のある豊橋へUターンして来ました。 そして、渥美半島醸造の醸造所が完成した2025年2月に、株式会社渥美フーズに入社し、 醸造長を務めることになりました。

川合さんに、今後の渥美半島醸造についてお尋ねすると、 「究極の地ビールをつくりたい。渥美の人たちに愛されるビール。 それは、50年後のあつみにとって、良いものとなるようにして行きたい。 地元の農家からは、積極的に農作物を使って欲しいと言ってくれているので、地元の特産物をどんどん使って行きたいと思う。 また、ビールづくりにも、ひと工夫したいと思う。ただ、農産物を副原料として入れるだけではなく、 そうした農産物との相性を考えて、いろいろな作り方を研究して行きたいと考えている。」と語ってくれました。

川合さんのご厚意で醸造所を見せてもらいましたので、ご紹介しましょう。


醸造設備  【1バッチ(1ロットの生産量)が1,000リットル】
醸造設備は、「TUNWELL」(騰威机械)がトレードマークのNingbo Tunwell Machinery Co.,Ltd社
(寧波騰威食品機械製造有限公司)の中国製プラントを導入
導入支援では、神奈川県茅ヶ崎市の株式会社スペントグレインに委託


仕込み設備
左手から糖化タンク、煮沸タンク、貯湯タンク、冷水タンク


左側が糖化槽(マッシュタン)兼、ろ過槽(ロイター)、 右側が煮沸槽(ケトル)兼、ワールプール


貯湯タンク(ホットリカータンク)


冷水タンク


発酵&貯酒タンクは、10バレルタンクが6基と5バレルタンクが2基の計8基


左手前から10バレルの発酵&貯酒タンク×6基のうちの2基と、5バレルの発酵&貯酒タンクが2基


10バレルの発酵&貯酒タンク×6基のうちの残りの4基


プレハブ冷蔵庫


缶の充填機(カンニングマシン)


麦芽の粉砕機(ミル)


川合 崇浩さん


渥美フーズのこれまでの経緯は、以下の通りです。
1978年10月2日渥美フード有限会社を設立
1978年渥美町へ「スパー福江店」をオープン
1985年豊川市へ「スパー宿店」をオープン
1989年「スパー福江店」を移転しリニューアルオープン
1993年株式会社渥美フーズに社名変更
1996年豊橋市へ「スーパーマーケットアツミ山田店」をオープン
福江店、宿店も「スーパーマーケットアツミ」へ店名変更
2001年「スーパーマーケットアツミ宿店」を
「フードオアシスアツミ宿店」としてリニューアルオープン
2004年「スーパーマーケットアツミ福江店」を移転し、
「フードオアシスあつみ福江店」としてリニューアルオープン
全店舗を「フードオアシスアツミ」から「フードオアシスあつみ」に店名変更
2006年「デリカセンター」を開設
2013年浜松市へ「ビオ・あつみ エピスリー浜松」をオープン
2019年豊橋市へ「ビオ・あつみ エピスリー豊橋」をオープン
2025年2月28日複合商業施設「あつみの市レイ」をリニューアルオープンに際して、
「あつみ食堂」、「ATSUMI BREW PUB」をオープン
酒類等製造免許(ビール、発泡酒)を取得
2025年3月19日初仕込み
2025年4月26日自家醸造ビールを販売開始

ビアクルーズ管理人の一言:
2025年5月、愛知県田原市にある複合商業施設「あつみの市レイ」内のタップルーム「ATSUMI BREW PUB」を訪れて、 「渥美半島醸造」の2種類のビールを購入し、自宅で飲みました。



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