Dragon Brewing


ブルーパブ名: [パブなし]
ビールの種類: Mixed Berry Ale (フルーツエール)
Apple Pie Ale (フルーツエール)
醸造開始: 2025年10月1日
instagram: Dragon Brewing Co.

製造元: 株式会社Dragon Brewing
電話番号:
住所: 愛知県名古屋市東区泉三丁目8番11号

Dragon Brewing(ドラゴンブルーイング)は、 クラフトビール業界では珍しく現役の教職員が集まって設立したというマイクロブルワリーです。 愛知県名古屋市東区へ2025年に誕生したDragon Brewingは、 高校の生徒たちに起業家精神を教えるため、その模範を示すべきと考えた教員たちの発案がきっかけで誕生しました。 また、昨今ビールメーカーの間で課題となっているユーザのビール離れにも真摯に向き合い、 若者や女性に興味を持ってもらえることや、 大手ビールメーカーに多いピルスナータイプのビールの苦味が苦手という人たちにも飲んでもらえるように、 甘め・軽め・アルコール低めで健康成分を多く含む飲み易いビールの提供を目指してビール造りを進めています。 現在は、名古屋市内の飲食店や酒販店など取り扱いのある店舗にて販売しています。

Dragon Brewingでは、原材料にドイツ産、イギリス産の麦芽とアメリカ産のホップを使用し、 名古屋の水を仕込み水として使用して醸造しています。

Mixed Berry Ale

Apple Pie Ale


Dragon Brewingの運営会社である株式会社Dragon Brewingは、クラフトビールの製造・販売を業容とする会社で、 名古屋市内にある私立中高一貫校で教鞭をとる教員が中心となって起業した会社です。 その成り立ちは、起業家精神を生徒たちに持ってもらいたいと指導に当たっていた5名の教員が立ち上がり、 自らクラフトビール醸造所を起業し、その姿を生徒たちに見せて行きたいという意気込みから誕生しました。
総勢7名の株式会社Dragon Brewingのメンバーは、以下の通りです。

杉本 有優(すぎもとあゆ)さん 教員(生物科) 愛知県の出身  代表取締役、 醸造責任者
松崎 旭洋(まつざきあきひろ)さん 教員(物理科) 愛知県の出身  プロジェクト統括
宮地 邦樹(みやちくにき)さん 教員(英語科) 京都府の出身  SNS運営、 デザイン
籠谷 優(かごたにゆう)さん 教員(国語科) 大阪府の出身  営業
松永 貴芳(まつながたかよし)さん 教員(生物科) 愛知県の出身  営業
家田 清一(いえだきよかず)さん 製造業勤務 愛知県の出身  営業
松永 卓也(まつながたくや)さん 醸造専任 愛知県の出身  ブルワー

コトの始まりは、2023年のこと。国公立大学合格者を数多く輩出してきた進学校として有名な私立高校を舞台に、 ある2年生の生徒が起業に興味を持つところからはじまります。 その生徒は起業に関する情報収集のため、愛知県名古屋市中区にあるナディアパークを訪れていました。 そこには、中部経済連合会と名古屋市によって2019年に設立された「NAGOYA INNOVATOR'S GARAGE」 (ナゴヤ イノベーターズ ガレージ)という会員制コワーキングスペースがあり、 将来起業を目指している若者や情報交換のために訪れるビジネスマンなどで活気に溢れていました。 そこで見聞きした情報を吸収し、そうした空間に身を置くことで、 刺激を受けたその生徒は学内に「ビジネス愛好会」という同好会を設立しました。

そして、このような活動を見守ってきた3名の教員 杉本さん、松崎さん、松永 貴芳さんもビジネス愛好会の活動に加わり、 NAGOYA INNOVATOR'S GARAGEへ通うようになりました。 また、ビジネス愛好会の活動の一環として様々なスタートアップ向けイベントに参加したり、 学校へ起業家を呼んで講演を依頼していました。そうした活動を進めて行くうちに、 「生徒にこんなに起業について学んだ方がよいと挑戦を促しているのに、 我々教師が挑戦しなくてどうする?」という疑問が湧き、「まずは自分たちからやってみよう」という話になりました。 そして、NAGOYA INNOVATOR'S GARAGEに通いながら、 自分たちでも何か教育分野で事業化できそうなネタはないかと模索はしてみたものの、 アイデアはどれも決め手に欠けるものばかりで、アドバイザーからは「教育関係での起業は無理」と言われ、 再考を余儀なくされました。それからテーマ選定に苦戦する日々が続いた12月のある日のこと、 仲間内での雑談の中で「ビール造ったら、おもしろいよね~」といった何気ない発言がもととなり、 ビール造りのアイディアが急浮上しました。

そこで杉本さんたちはチームを結成し、国内のビール市場の現状や課題を話し合い、 自分たちでの解決策を話し合ううちに、自分たちの考えるクラフトビール像を掲げたビジネスプランをまとめ上げました。 そして、NAGOYA INNOVATOR'S GARAGEで開催される「STARTUP Dragon-Gate」 (スタートアップ ドラゴンゲート)というビジネスコンテストへ出場することにしました。 2024年1月の1次審査では、様々な修正点やアドバイスをもらうことができ、 その後もアイデアを次々と積み重ねて行くことで、 同年3月にはSTARTUP Dragon-Gateで見事に優勝を手にすることができました。 一方で発起人の一人である杉本さんはその頃、ビール造りを始める準備としてチェコやベルギー、ドイツを周って、 醸造現場で醸造作業を体験していました。 そうしてSTARTUP Dragon-Gateにチャレンジした3名の教員は、それぞれ理科の教員としての専門知識を駆使し、 情報収集から技術習得を進めて行き、自分たちが大好きなビールに革命を起こしたいという気持ちを胸に、 2025年1月に株式会社Dragon Brewingを設立しました。 代表は、教員の中で唯一非常勤講師として副業の縛りのなかった杉本さんが務めることとなりました。

一方で会社設立の準備と並行して進めていたのが醸造所の物件探しでした。なるべく学校から近距離にあって、 醸造所として利用できる広さや土地区域、賃料の安さなどの条件にマッチする物件はないものかと探していましたが、 なかなか見つからず苦戦を強いられていました。 そして2024年11月のこと、学校と取引のある写真館のカメラマンと職員室で雑談をしていたところ、 その写真館で以前は社宅として使っていた民家を貸してもよいという話になり早速内覧した結果、即決しました。 また、杉本さんはビール造りを学ぶため、2025年1月から2月にかけて島根県江津市にある石見麦酒を訪れて、 山口 厳雄さんの元で醸造研修を受けてきました。 その流れで石見麦酒とコンサルティング契約を締結し、 物件の改築から醸造免許取得、機材の導入までに関する様々なアドバイスを受けていました。

2025年の初夏を迎える頃には写真館に頼んでおいた物件を正式契約し、醸造設備の搬入を開始。 2025年8月6日には酒類等製造免許(発泡酒)を取得。 醸造作業は、杉本さんに加え、松永 卓也さんが担当します。 松永 卓也さんは松永 貴芳さんの弟で、以前は千葉県で会社員勤めをしていましたが、 このプロジェクトの話を聞き勤め先を辞めて、ブルワーに専念する形で名古屋へ来ました。 そして同年8月29日に初仕込みに臨み、1stバッチとなる「Mixed Berry Ale」が完成すると、 遂に同年10月1日予約販売分より順次出荷を開始することとなりました。 杉本さんはこれまでを振り返って、 醸造技術の修得や衛生管理、税務に関わる許認可の書類作成、補助金申請の書類作成など、 教員のままでは一生縁がなかったであろう経験を連続して体験することができ、改めて達成感を感じていました。

Dragon Brewingの名の由来についてですが、起業した2024年が辰年だったことや、 「STARTUP Dragon-Gate」での優勝が起業のきっかけとなってはじまったプロジェクトであることから、 「Dragon」という単語を用いて命名しました。また、Dragon Brewingのロゴは、 シードラゴンとビールの原料であるホップの花をモチーフにした可愛いデザインになっており、 生徒の保護者で広告会社をしている方に依頼して作成してもらいました。

杉本さんのご厚意により、醸造設備を見せてもらいましたので、ご紹介しましょう。


Dragon Brewingの醸造所として借りている旧社宅の建物


Dragon Brewingの醸造所内


仕込み釜  【1バッチ(1ロットの生産量)が150リットル】


150リットルの発酵タンクが6台
※島根県江津市の石見麦酒で考案されたビニール袋を活用した発酵タンクです


冷蔵庫


冷蔵庫の中には出荷を待つケグと瓶ビールが並んでいました


瓶の充填機(ボトラー)


麦芽の粉砕機(ミル)


粉砕機は、以前シャワールームとして使われていたボックス内で使用します


原材料を保管する冷凍庫


冷凍庫内には様々な果実が保管されています


杉本 有優さん


Dragon Brewingのこれまでの経緯は、以下の通りです。
2025年1月株式会社Dragon Brewingを設立
2025年8月6日酒類等製造免許(発泡酒)を取得
2025年10月1日自家醸造ビールを販売開始

ビアクルーズ管理人の一言:
2025年10月、愛知県名古屋市東区にある「Dragon Brewing」のビールは、同区内にある酒販店「岡田屋酒店」で購入し、 自宅で飲みました。
その後、日を改めて醸造所を訪れました。杉本さんさんには、お心遣いを戴き大変感謝しています。



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